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魔法の打てない最強魔法使い  作者: ノーマニア
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オーク襲来


<オーク襲来>


あの出会いから3ヶ月 村にオークが攻めてきた。


この世界に転生してからもう1年以上たつけれど俺はモンスターなんて見たことなかった。

実はこの村付近には結界が張られていて低レベルモンスターなどは近くことはできない。

しかしその効果は6ヶ月で切れる。その度に貼り直しているのだが今回はそれが破られたらしい。

ということはこのオークは低レベルではないと言うこと。

村長が戦えるものと隠れるものと手慣れたように分ける。

女子供は街から少し離れた風車小屋に避難することになった。

俺らが避難してから1時間、村が煙を出して燃え始める。

嘘だろ。俺たちの村が。

煙がどんどん大きくなり村がなくなってくのがわかる。

たった1匹のオークに人は勝てないのか。

俺だけでなく一緒に避難した女性たちも泣いている。

そう。旦那たちが殺されたかもしれない。そんな恐怖に僕らは包まれていた。


一人の女性がここも危ないどこか遠くに逃げようといい始めた。

でもどこに行けばいいのだろう。みんな混乱して頭が働かない。

俺はこの悪夢が過ぎ去るのを待つしかできない。

そんなことを思った瞬間風車小屋のドアが叩き壊される。

そこには未だ満たされないオークが立っていた。

殺される。誰もがそう思った。俺もどうにもできなかった。

もう足が動かないのだ。言葉が出ないのだ。

大人の女性たちが俺たち子供を守ろうと前に出る。

しかし村の男たちを倒すオークにとって女は弱い生き物でしかなく、

斧の一振りで1人1人どんどん殺されていく。

殺された母に子供が駆け寄り子供も殺される。食われる。

地獄とはこの光景だと僕は動けずにいた。


なんとかしなきゃ。なんとかしなきゃ。

でも、、、何もできない、、、、何もできない、、、

俺を助けてくれたこの人たちを守りたい。

力が欲しい。でも攻撃力10で何ができるだろう。

その10だけでも当てることが俺にできるのか?

魔法なら200だけど魔法なんて習ったことない。

学んでおけば。最弱魔法でも覚えておけば、、、



そんな時ふと学院でみた魔法陣を思い出す。

あの時の形。なんの魔法だったんだろう。使い方もわからない。

でもここにいたらみんな死んでしまう。

何か描くもの。どこに描いたらいい?どうやって描いたらいい?

わからない。

わからないけど。

「大丈夫だよ」そうシスターは頭を撫でてくれた。

そしてその手には聖書があった。

多分教会で一番の貴重品はこの聖書なのだろう。

聖書に目を移していると、オークはすでに目の前に来ていた。そして一振り。

シスターの背中から血が流れる。そして倒れた。

俺は「シスター」と叫ぶ。

シスターは最後の力を振り絞って「逃げて」といって目を閉じた。

涙が止まらない。何もできない自分が嫌だ。


混乱しながら周りを見るが、俺が最後の一人になってしまった。

シスターが手から落とした聖書が目に入る。

大抵の本の最後のページは白紙。もうこれしかない。

そこに俺は記憶を頼りにあの時みた魔法陣をペンで描く。

そしてオークは最後の一人である俺を狙う。

オークが斧を振り下ろすのが見える。

そしてそこからが時間の流れがスローになる。

まるで死ぬ瞬間のように。

「まだ死ねない」「まだ死にたくない」

小さな体で避ける。描く。

オークは斧を投げ捨て拳で攻撃をし始めた。

まるで最後の獲物で遊ぶかのように。

そう彼は遊んでいるのだ。明らから今までとは違い一発で終わらないように。

俺が悲鳴をあげるように。

そして彼の拳が左手に当たる。

痛い。漫画のように俺の腕が飛ぶ。腕ってパンチで切れるのかよ。

自分の血が書いている魔法陣にかかる。

そして俺は魔法陣を書き上げる。

「頼む!あのオークに当たれ!!」

光る魔法陣から金色の炎が現れオークに飛んでいく。

オークは叫びながら燃えていく。炎を払おうとするがより一層燃え広がる。

オークの叫びは消えてそして骨すら灰にして炎は消えた。

亡骸には赤のクリスタルが残った。



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