魔王召喚されたって本当?
僅かな蝋燭が灯された狭い部屋。
デコボコな地面に書かれた歪な魔法陣。
そして、それを囲む人では無い生き物達。
魔王の城にある一室。
そこで彼らは言葉を流暢に紡ぐ。
「次期魔王に相応しき者。この呼び掛けに応えよ……。」
言葉と共に魔法陣は光り出す。
そして、中央に召喚されたのは少年だった。
「えっと?ここは……どこ?」
「おぉ、次期魔王よ。ようこそ、魔王の城へ。ここは召喚の間。そして、貴方様は魔王を継ぐ者として召喚されました。」
「……はい?」
「理解出来ませんか。ここは異世界。貴方は魔王になるべき者です。」
「ちょ、ちょっと待って!可笑しい!色々可笑しい!だって僕が魔王を継ぐ?冗談でしょ!?」
「ですが、召喚に応じたのは貴方です。」
「何かの間違いだって!」
かなり少年は慌てている。
「何故ですか?」
「だって僕、戦った事とか無いもん!」
この発言は予想外だったのか、誰もが黙り込む。
やがて、一匹口を開いた。
「……では、こうしましょう。我らが魔王に弟子入りをするのです。頑張れば、天候くらい変えられる様になるかも知れませんしな。」
「……ええー。それって人外じゃない?」
「そうですが?我々は魔族。寧ろ、何故人の子が次期魔王として召喚されてしまったのか分かりません。」
「……きっと帰れないよね。元の世界に。」
「ええ。戻れません。」
「うー……しょうがない!魔王って格好良い響きな気がしてきたから頑張ってみようかな!」
本当は少年にそのつもりは無かった。
が、帰れないならと吹っ切れる事にする。
「おぉ!なら、早速魔王様の元へ参りましょう!我らゴブリン隊!次期魔王様を安全かつ迅速に護衛しますぞ!」
「おぉー!」
少年はゴブリン隊に護衛されながらも魔王の居る場所へと案内された。
そして弟子入りをし、大変な日々を送る事となる……。




