二百字掌編シリーズ 『続・二年三組、赤井花ちゃん』

【渡真斗クン、試験を受ける ６】

　さすがの渡真斗クンも、頭を捻っている。

「えとね、県庁がある……あ、県庁もかあ」

　段々と、一人深みにはまってゆく春クン

「そういや、県庁って何だろ？　ねえ、花ちゃん？」

「花ちゃんが、知ってるわけがないし！」

　さも当然と胸を張る彼女だ。

　これに目の前から

「けんのおちごと、ちょりあちゅかっちぇるおやくちょ」

「はあ？　何て言ったの？」

　これを即座に通訳できる、さすがのおねえちゃん

「県のお仕事、取り扱ってるお役所、やし」