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【渡真斗クン、試験を受ける 3】

 やがて、一冊の文庫本を手に戻ってきた花ちゃん


「こんなんがあったし!」


「お、何ていう本なの?」


 だが、その表紙を見た花ちゃん


「早速読めんし」


 そこに書かれているタイトルは――殺人への誘い


「どれどれ……ふうん、さつじんへのさそいだって」


 この時、一緒になって覗き込んでいた渡真斗クンが


「いじゃにゃい」


「え? 何? 花ちゃん、彼、今何て言ったの?」


「いざないって聞こえたし」


 すでに、三年生を凌駕している一歳児である。



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