無題
「もんすたぁ…って…よくゲームとかにマンガとかに出てくる…やつ?」
「はぁ…? ゲームとかにマンガとかよく分かりませんが…モンスターと言うのは、この世界では当たり前のようにその辺りにのさばる凶暴で野蛮な生き物の事ですよ……というか、あなた方、イノガシラとトビザルから逃げてきたんですか…?」
「はい…。」
「よく逃げてこれましたね! イノガシラはモンスターの中でも特に凶暴です! アレから逃げ切れたとは…スゴいですね!」
「そ、そうですか…? トビザル? に関しては倒して来ちゃったんですけどね…はは。」
「……倒してしまったんですか!? それは…マズいですね……。」
「へ…? マズかったですか…?」
「はい……あ、やっぱり、ウチには泊められません…すみません…!!」
「え…??」
村の男性はそそくさの家の中へ入ってしまった。
しばらくすると、男性は何かを持ち、ユウマ達の元へ戻ってきた。
「ウチには上げられませんが…何にもしてやれないってのは気が引けるんで…コレをどうぞ…。」
村の男性はユウマ達に、ゴッソリと色々なモノを渡してやった。
「こ、これは…??」
「この村から北へ向かって下さい、そうすれば、『ダラス』という街があります、そこなら居住場所も見つけられると思います。…で、コレは…街に着くまで約一日はかかります…その道中にはモンスターもいます…なので、コレを使いながら街まで行ってみてください…。」
村の男性は、ユウマ達に、
・ミスリルソード
・ミスリルヘルム
・ミスリルシールド
・ミスリルアーマー
・ミスリルブーツ
・レイピア
・レザーシールド
・レザーヘルム
・レザーローブ
・レザーブーツ
「こ、こんなに…!? いいんですか…!? つか、本当、ゲームみてぇだなこりゃ…。」
「いいんです、いいんです! 私達の分は足りてますし、むしろコレは余り物ですし、あと、コレも…」
・小さな薬草 十個
「コレは…??」
「小さいですが、効き目バッチリの薬草です! 飲んで良し! 塗って良し! モンスターにやられてヘロヘロの時や、お腹が空いたときにどうぞ! 一気に体力が蘇りますよー!」
「は…はぁ…、ありがとうございます…。」
とりあえずユウマ達は村の男性に手伝ってもらい、装備品を装着した。
「あれ…見た目と違って…軽いですね…! これならずっと着てられそうだ!」
「ユウマ…カッコ良くなったね!」
「え…? あ、ありがとう…!」
「じゃあ、彼女さんの方はコレを来てくださいね!」
「か、彼女さん…!?」
村の男性の言葉にユウマは激しく動揺した。
「え…? こちらの可愛らしい女の子は、彼氏さんの彼女さんではないんですか?」
「ち、違います…!」
「そ、そうでしたか、それは失礼しました。」
女の子は村の男性から貰った装備品を装着した。
「ありがとうございます…。」
「いいんです、いいんです、気になさらず! では、気をつけて行ってきてください!」
「はい…! 色々ありがとうございました…!」
「いいんですよ! あ、それと、言い忘れてましたが…モンスターは倒してはいけませんよ…! あなた方は強くなってはいけません! 街に着いたら、絶対に、トビザルを倒したことを言いふらしてはいけませんよ…!」
「え…? それはどういう事ですか…??」
「モンスターを倒すと、経験値を得ます、倒した者は強くなります! ただ、強くなっていくと、ヤツらに目を付けられます…気をつけて下さい…!」
「経験値…??それに、ヤツらって…なんですか…??」
「…モンスターを倒さなければいい話です! 気にしないでください…! ほら、早く出発なさらないと…! では、お気をつけてくださいね!」
「??…はい、んじゃあ、出発します…。」
ユウマは色々気になったが、村の男性の顔色をうかがい、これ以上聞くな…早くどっか行ってくれ…みたいな空気を察知し、これ以上ここにいちゃダメらしいな…と思い、仕方なしに出発する事にした。
「北へ向かう…北へ……って、北ってどっちなんだ…?」
「ユウマ、…あっちよ。」
「え…??」
クルクルと回りを見渡すユウマをよそに、女の子は迷わず北方向を指差した。
「な、なんで分かるの…??」
「…勘。」
真顔で言う女の子にユウマはあっけにとられた。
「そんな真顔で『勘』って…。」
「じゃあ…勘じゃない!」
女の子はニコッと微笑みながら、ユウマの顔を見て言った。
「じゃ、じゃあ、君が言うとおりの方へ行ってみよう…!」
ユウマは自分を見る女の子から目を背け、ドキドキしてるのか声を少し震わせて言った。
「うん! じゃあ…早くいこ!」
女の子はユウマの手を握りと取り、繋いだ。
「う…!!」
「ユウマ? 大丈夫…? なんか…顔赤い。」
女の子はクスクスと微笑んだ。
「ううう……。」
「……??」
こうして二人は、
北にある『ダラス』という街を目指し、
手を繋ぎながら歩を進める。
とりあえずユウマは、
色々パニックだった。
二人は何者かに付けられているとも知らずに…。




