無題
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
ユウマとハルカは森の奥へ逃げ続けた。
二人が森の奥へ進んでいくと、警備兵らしき二人組の若者が立つ『マダラ洞窟』入口まで辿り着いた。
「…ッ!? お前ら何者だ…ッ!!」
警備兵の片方がユウマ達に声をかけた。
「はぁ、はぁ……頼む…助けてくれ…! 仲間がモンスターに…!」
ユウマは警備兵の二人組にキラとユヤを助けてくれるよう頼み込んだ。
「分かった…! お前…怪我してるのか!? とりあえず仲間はオレ達に任せて、お前らは洞窟の中で休んでろ!行くぞ、ヴィッツ!」
「はいよッ!」
警備兵の二人組はユウマからおおまかな道筋を聞き、キラとユヤが戦ってる場所へ向かってもらった。
「ヴィッツ!もしかしたらそれなりに強いモラルド人かもしんねーから気を引き締めろよ!」
「大丈夫だっつの!弱いモラルド人だろうがそれなりに強いモラルド人だろうがオレが叩ききってやるっつの!」
「お前そう言いながらこないだモラルド人に捕らえられそうになってたじゃねーかよ!」
「う…!うるさいっつの!ありゃ少しだけ油断しちゃっただけだっつの…ッ!」
「気が緩んでる証拠だろが!万が一にも奴らに捕まったら終わりだ…ッ!!わかってんだろなー!?」
「分かってるっつの!アールはいちいちうるさいっつの!アールこそ気をつけろよな~また魔法使って自分の腕燃やしちゃわないようにな~!」
「う…ッ!ま、まだ慣れてねーんだよ…!」
マダラ洞窟で警備をしていたヴィッツとアールは、モラルド人と戦ってるであろうキラとユヤのもとへ向かう。
〈マダラ洞窟・ダラス軍基地〉
ユウマとハルカはマダラ洞窟を奥に進む。
「お前ら何者だ…ッ!」
洞窟の奥には十五名程度であろう、十代後半から二十代後半くらいの若い男たちが話し合いをしていた。
ユウマ達に気付き、恐らくこの若者達の長であるのか、一際強そうに目立つ装備を着込む男がユウマ達に近寄ってくる。
「大丈夫か…?怪我してるじゃないか!薬草を持ってないのか?」