無題
四人は『ダラス』に着いた。
「ここだダラスだ! で、この街で何かやることあるのか?」
「え…いや…とくにやることはないけど…。てゆうか、なんか…のどかな街だな!」
「ここの世界のほとんどの人は皆穏やかに暮らしてるよ、モンスターとバトルする必要性もないし、強くなる必要もないからな。」
「ふーん…。つか、これって武器屋…?」
「ああ、武器屋だな!」
「閉店してんのか…?」
「開店しててもどうしようもないからな!」
ユウマ達は石畳の道を歩きながら街の中を散策していたが、武器のマークや盾のマーク、色々な看板が出ている建物を目にするがその全ては営業していなかった。
「…なんか穏やかだけど、静かで寂しい感じだな。つか、街にほとんど人がいないけど街の人達は一体何してるんだ…??」
「畑で作業してるんじゃないか?」
「ここの世界の人達は皆、肉とか魚は食わないのか??」
「食わないさ、だって、薬草だけでも生きてけるからな。」
「すげーな…。」
「とりあえず…街のはずれに酒場があるはずだ、酔っ払いは口が軽いからな、強そうなモンスターがいる場所を聞いてこよう!」
「酒場なんかあるのか!?」
「あるさ、うっぷん溜めたヤツらが酒場で酒呑んで憂さ晴らししてんのさ。」
「酒はあるんだな…。」
四人は酒場へ着き、キラだけが酒場に入っていった。
「いらっしゃい。」
酒場へ入ると、ちらほらと何人かの男達がテーブルを囲み酒を酌み交わしていた。
「すみません、この辺に強いモンスターとかいないですか?」
キラが酔っ払いの男達に話を聞いた。
「強いモンスターだぁ? そんなん自分で探せ~! てゆ~か、そんなに早死にしたいなら反モラルド勢力軍に入って、モラルド人と戦ったらどーだ!」
「反モラルド勢力軍…?」
キラも初めて聞く言葉だった。
「知らねーのか? ダラスの若い男達は今のモラルド人のやり方に納得していない! 何故! モラルド人がオレ達の世界を、大陸を、街を支配し監視している! そういう奴らが集まって今まさに! ダラスの若者達はモラルド人に反抗し、戦おうとしているのだ!」
「…。そいつらは何処にいるんだ?」
キラと酒場の男達のやり取りは続く。
「『マゼラ洞窟』だ! こっから東に行くと森で囲まれた『マゼラ洞窟』がある! そこを拠点にすると言っていた!」
「そうですか、わかりました、どーも。」
キラは話を聞くだけ聞いて酒場を出てきた。
「キラ! どうだった??」
ユウマ達はキラのそばに寄り、キラから話を聞く。
「反乱軍!? つか、そんな危ないとこハルカとユヤ連れて行けねーだろ…!!」
ユウマはマゼラ洞窟へ行き、反乱軍に合流することを反対した。
「でもよ、もしかしたらモラルド人が来るんだぞ? そしたらユウマ! フィルドルドに行けるじゃないか!」
「ま、まぁ…そうだけどさ…。」
「ユウマ…行こうよ? 私もフィルドルドに行きたいよ!」
「僕も行きたい、行きたい!」
ハルカとユヤは賛成した。
「でも…。」
それでもユウマはハルカとユヤの心配をした。
「ユウマ! 心配するな! 何かあったらオレが皆を守ってやる!」
「うーん…。」
三人がマゼラ洞窟へ行くことに強く賛成しているので、ユウマは強く反対する事が出来ず、渋々行くことを決意した。
「本当に大丈夫かなぁ…。」