無題
ユウマは、スライムの目を剣で刺し抜いては次々と倒していった。
「そうそう! その調子だよ!」
ユヤとキラもスライムを次々と倒していき、スライムの軍勢はあっという間に消え去った。
「はぁ…はぁ…。」
「ユウマ…大丈夫…? モンスターいっぱい倒しちゃったね…。」
「うん…。」
「スライムくらい、いくら倒しても経験値は稼げない、心配しなくても大丈夫だよ。」
キラがユウマ達に言った。
「あ、キラ…君? 助けてくれてありがとう…!」
「いいんだ、気にしないで。森の中で会った時逃げちゃったからさ。あの時助けてやれなくてゴメンな!」
「ゴメンなー!」
キラとユヤは謝った。
「じゃあ、やっぱり…ガサガサしてたのは君達だったんだね。てか、なんであの時助けてくれなかったんだよ…つか、君達何でオレ達について来たんだよ!? 村に帰りなよ! お父さんとか心配してるんじゃないのか!?」
「あの時は…お前らがヤツらの一味かと思ったから慌ててたんだ、悪かったよ。オレ達もアンタらについてくよ! 毎日毎日雑魚相手で退屈してんだ! な!ユヤ!」
「うん! スライムもトビザルもイノガシラも飽きるほど倒したしねー!」
「え…?? あのデカいイノシシも倒したのか…??」
「ああ!」
「楽勝だよねー!」
「ユヤとキラは強いんだな…!」
「少なくともアンタらよりは強いさ! ユヤは小さいが、ボーガンの腕はかなりのもんだ!」
「小さいからってなめるなよー!」
「ユヤ君、かわいー!」
女の子は小さいユヤの頭をよしよしと撫で可愛がる。
「つか…キラ君、モンスターって倒しちゃマズいんじゃなかった…??」
「強くなるのがマズいんだよ、ヤツらどこで見張ってるのか知らないが、強いやつが出てくると潰しにかかる、『出る杭は打たれる』ってやつだな。」
「…。ユヤ君とキラ君は大丈夫なのか?」
「オレらは普段雑魚しか相手にしてないからな、もらえる経験値が少ないらしく、成長スピードはかなり遅いから、ヤツらにマークされてないんだろう。」
「……、『ヤツら』って…なんなんだ??」
「『ヤツら』を知らないのか? その前にさ、アンタは何者なんだよ?」
「知らない…。オレはユウマだ、気が付いたら砂浜で倒れてたんだ。」
「ユウマか…、気が付いたら砂浜にいたのか? 気が付く前はどこにいたんだ?」
ユウマはキラに詳しく成り行きを説明した。
「ユウマは…異国人か!? すげーな!」
「そうかな…?ははは…。」
オレからしたら君たちの方が異国人なんだけどね…と心の中で思った。
「ユウマの国にはモンスターはいないのか?」
「いないっつの。」
「そうか…、じゃあ、『ヤツら』もいないのか??」
「その『ヤツら』ってなんなんだよ! つか、どこまで付いてくる気だよ、村には帰らなくていいのか??」
「このままユウマ達についてくよ、面白そうだし。村には帰らない。つか、オレ達両親や兄弟は本当の親子じゃないからな。」