0話:プロローグ
タイトルにもありますがプロローグです。少々暗い話ですが読んでみてください。
桜が散り、新緑の季節が始まる頃。
事件は年に一〜二回というくらい静かで平和な町で、前代未聞の出来事が起こった。
連続殺人事件。
場所は町に数少ない小さなコンビニ。それなりに賑わいを見せるそこで、事件は起きた。
事件の知らせを受けた警察は久々の仕事だと気を引き締めた。
彼等を待っていたのは真っ赤な血に濡れた床や壁に飛び散った血痕、それにすでに事切れた五体の人間達。
久々の事件は大きすぎた。ニュースでも大々的に世間に知らされ、県から警察の偉い人間を呼んだりした。
「調べてわかっていることは?」
県からやってきた刑事が町の警官に尋ねる。
「防犯カメラに映った犯人は一人だけでした。長身で金髪、顔はよくわかりません。そ、それと…」
言いづらそうに言葉を濁す警官。刑事に怒鳴られ、一気にしゃべった。
「本来、コンビニには七人の人間がいたはずなんです。客と店の人間を合わせて。」
二人分の死体は見つかっておらず、途中で防犯カメラは壊され犯人もその二人も行方知れずに。
警察は誘拐されたと判断をし、捜査を始めた。
消えた二人は、殺人犯に殺されたのだろうか。それとも……