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2 まだ終わっていなかった

あたしは普通に成長した。中学、高校を卒業して、大学へ進学し、普通に就職した。恋をしなかったわけでもない。ただ、人と深く関わらない方法を選ぶことが、少しずつ上手くなっていったように思う。いま、あたしは三十路を過ぎて、一人で暮らしている。5年前に両親との同居を解消してから、あたしのお城になった1LDKのこの部屋は、いつも静かだった。誰も、あたしが発する音や声を気に留めない。

 引っ越しのとき、机の奥からあの紺色のノートを見つけた。紙は黄ばんで、角は丸くなっていた。開くと、子どもの文字が整然と並んでいる。出来事だけが書かれていて、感情はほとんどない。ページをめくる手を止めた。最後のページにはまだ何も書かれておらず、白紙の罫線だけが目に入ってきた。ノートはまだ終わっていなかったのだ。そして、あたしも。


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