ダンジョンは夜会会場になりますか?
ドレスの話から自然と今書いている作品の話になる。
那須先輩は日本の歴史ものに挑戦だそうだ。
「資料を集めるだけで大変でな。図書館や博物館に通ってるよ。ただ、この辺は歴史資料のある博物館が多いから助かる」
俺達一年生三人の作品は、武田が異世界恋愛もの、上杉が学園ラブコメ、俺が異世界冒険もの、なんだけどドレス関係あるの武田だけかぁ。
「そうかも知れないが、現代学園物でヒロインが実は異世界のお姫様だったらどうかな?」
「それは……ありですね」
上杉が少し考える。今の作品じゃなくて次のに使うのかな?
「異世界で冒険するならヒロインがお姫様とかお嬢様の可能性もあるね」
今度は俺に振られた。確かにそうだ。ヒロインがお姫様だったらドレスに着替えることも考えないとな。
「それに新しいことを知るのは楽しいだろう」
「那須先輩、先生みたいです」
俺が言うと那須先輩は舌を出して白状した。
「いやぁ、実は武田先生の受け売りだ」
上杉の方を見ると何の表情もなくすんとなっていた。まだ引きずっているんだなぁ。
ここで話題を変えるのもと思ってたら注文していた料理が来た。ちょっとホッとした。
食事が一段落すると那須先輩が俺に話を振ってきた。
「そう言えば織田の作品のダンジョンはどのくらいの広さなんだい?」
「あまり考えてないですけどフロア一つ踏破すると一日?二日?どのくらいかかるか決まってないです」
「なるほど……きっちり決めなくてもある程度考えておいてメモしておいたほうがいいぞ、忘れるからな」
そこからはダンジョンの中に何があるかという話題で盛り上がった。すると武田がとんでもないことを言い出した。
「夜会が開かれるの、ダンジョンの中のお城だったらどうなるかなぁ」
ヒロインが聖女なら……。
「悪役令嬢と呼ばれて追放されたお嬢様がダンジョン攻略してダンジョンに封じ込まれたお城を解放して…………」
それを受けて那須先輩が言う。
「封じられたお城に向かう道中でモフモフわんこに襲われて叩きのめしたらショタ王子だったとか?」
すると上杉が口を挟む。
「そこはヴァンパイアで元の姿に戻るときれいなお姉さんで実は王女の方がいいと」
武田が首を振りながら反論する。
「古今東西、悪役令嬢には辺境伯とか騎士たちよ。もちろん筋骨隆々なマッチョね。そう言うモンスターだとどういうのがいいかな? 織田君」
武田が話を振ってきた。どう答えようか?
「那須先輩と被るけどライカンスロープとか、スケルトン、レイスあとは歩く鎧とか……デュラハンもいいかな?」
「悪役令嬢が叩きのめしたところでハプニングでキスしちゃって呪いが半分解けて完全に解くにはお城にいる魔物の親玉を退治するとかかな?」
武田がぶつぶつ言いながら今言った話をいつの間にか取り出した手帳にメモしていく。
「話がひろがっていくね」
那須先輩がそう言うと今度は俺に話を振る。
「織田だったらどういうシチュエーションにする?」
「どうせこいつはボンキュポンなエッチなイン魔じゃない?」
上杉のちゃちゃを無視して持論を展開する。
「そこはスレンダーな姫騎士様かなぁ。で主人公は男性ね。姫騎士は守られるだけじゃなくて背中を預けられるような人がいいなぁ」
武田は下を向いてメモをしているが心なしか嬉しそう。上杉はちょっと嫌そうな顔、それを那須先輩がにまにまと見ている。




