ハーレム?確かに上杉は可愛いけど男子だ
授業が終わり本格的に部活動が始まる。
と言っても俺たちは小説なんて書いたことがない。部室に行く途中で武田に聞いてみる。
「武田、小説の書き方ってどうやるんだ?」
「織田君、それ、私に聞く? そうだ、伊織ちゃんならわかるかも。伊織ちゃん……」
「わからないわ」
「えっ、だって俺たちを誘ったんでしょ? 部活動の内容も知っていて興味があるからじゃないのか?」
「知らないわ。だってお姉ちゃんがなんか新入部員がいないと文芸部つぶれそうって、この間言ってたから入っただけよ」
だめだ、そうだこいつは武田先生のことしか考えてないやつだった。
「大丈夫よ薫ちゃん、先輩方が教えてくれるから。あんたは一人で図書室にでも行って小説の書き方さがしてこいや」
わかってたけど、上杉は武田と俺の扱いが違いすぎる。
部室にはすでに二年生の千葉先輩と里見先輩がいた。あれ? この二人なんかピリピリしてないか?
気になるけどなんか言うとまた墓穴を掘りそうだから黙っていよう。
「そういえば織田君はどんな小説を書こうと思ってる?」
いきなり来た! そう言われてもなぁ。まぁファンタジー系もいいけど巨大ロボットを操縦する宇宙戦記も捨てがたい。
「そうですね、SFかなぁ。巨大ロボットが出てくるような宇宙戦記ものとか」
「ほう、いいじゃないか」
千葉先輩が嬉しそうに言うと、横から里見先輩が口を出す。
「巨大ロボット? リアリティがないな。そんなのお子様のたわごとだ」
「里見!」
「なんだ千葉、痛いところを突かれたからって大きな声を出して」
「違う、私に言うならいいが、初心者にはそんなことを言うな」
里見先輩が今更ながら気が付いたようで気まずそうな顔をして俺に向かった謝った。
「すまない、君を貶す気はなかった。申し訳ない」
「良いですよ。でも、ロボットじゃなければファンタジー系の世界で農業をやる話とか書いてみたいですね」
「おお、それはいいかもしれない。ただ、大変だぞ、農業って知識がないと難しいからな」
里見先輩には巨大ロボットを避ければよさそうだ。千葉先輩が武田に訊ねた。
「武田さんは何を書きたい?」
「……わからないです」
少し間をおいて武田が小さい声で話す。
「そうか、ところで武田さんは小説に限らず、マンガでもアニメでもゲームでも好きなのある?」
里見先輩が武田に助けるように聞く。
「そうですね、可愛い女の子がカッコイイ男の子と恋愛する話とか好きですね」
「そうか。かわいい女の子ってどんな女の子かな?」
「小さくてぽわぽわってしていて……」
「なるほどなるほど……」
そういえば上杉が静かだな。
なんかぼーっとして窓の外を眺めているその姿ははかなげな美少女だった。




