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彼と彼女と俺の話  作者: 山田ジギタリス


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12/15

テスト勉強と呼び出し

「悪い、北畠ここ教えてくれ」

「そこはこうでござる」

「おお、わかるわかるぞ」

「北畠くんここも教えて」

「そこは、こうやって」

「……」

「ねぇねぇ斎藤くん、先輩からもらった過去問って本当に何度も同じ問題繰り返してるね」

「そうなんだ、でも新しい問題も混じってるから油断できないんだぜ」

「……」

「なぁ、テスト終わったらカラオケ行かない?」

「うーん、部活あるしなぁ、考えておくね」

「畠山っちは部活忙しいみたいだから私が女バレから友達呼ぶね」

「あー朝倉ずる~い、私も行く~」

 

 青春だなぁー。

 

 今、どういう状況かと言うと、俺達6人は勉強可能な喫茶店に来ている。そして6人がけテーブルが空いてなかったので4人と2人に別れて座っているのだ。2人席はと言うとみんなが口を揃えてこう言った。


「武田と織田だね」

「武田さんと織田でござるな」

「武田ちゃんと織田くんね」

「武田さんと織田くんだね」


 決まったな。

 

 斎藤達は少し離れたテーブルで勉強をしている。この店にいられるのは2時間だからな。まぁ友達と一緒に勉強したかった武田は期待が外れて申し訳ないけどこんなもんだよな。


 武田に申し訳なくて小声で伝える。


「これもさ、夏休みまでだから少し我慢しような」


 途端に武田の表情が消えた。


 笑顔が硬くなりほとんど話さない。なんでだろう、よっぽど嫌だったのかな。その後は何を話しても反応が薄い。そのうち俺も話さなくなり二人して黙々と勉強をしていた。帰りの地下鉄でも武田は黙ったままだった。怒った顔だけどなんか泣きそうな顔にも見えた。 




 次の日から十分放課も昼放課もほとんど話さない。話しかけても塩対応。

 

「勉強しないといけないから」


 こう言われてしまって何も言えなくなってしまう。そのまま中間テストに突入。

 自己採点の結果はあまり良くなさそう。まぁ赤点はなさそうだけど。


 テストが終わった。斎藤、北畠、朝倉、畠山はカラオケにいった。一人で教室でほうけていると姉小路が慌てて教室に飛び込んできた。


「織田!大変だ!」


 なんだろう、俺はテスト後の開放感に浸りたいんだ。


「何やってる、大変なんだからすぐに来い」


 そう言いながら姉小路に引っ張られて校舎の上に向かう。なんだぁ。まさか姉小路、俺に告白か?


「冗談は顔だけにしてくれ、音を立てるなよ」


 姉小路は少し開いたままの扉の隙間から見るようにジェスチャーをする。扉に近寄ると屋上が見える。そこに女子が四人。一人はこちらに背中向けてるけど武田だろう。残りの三人は腐女子たちだ。先頭に立ち武田を糾弾しているのは今川か。見事な胸を見せびらかすように張って武田に向かってまくし立てている。武田の丸めた背中は震えている。


「だから、織田くんと付き合ってるって嘘でしょ。認めなさいよ」

「そっ、そんなこと……ないよ、付き合ってるから」

 

 今川の声ははっきり聞こえるけど武田の声はなんか蚊の鳴くような声では心細い様子だ。

 

「この間、見たのよ、二人で喫茶店にいるところ。あれはどう見ても恋人同志じゃなかったわ」

「だからそんなことは……ないと思う」


 あぁもう何やってるんだ今川のやつ。武田は恋人じゃないけど大事な友達だ。泣かせたら容赦しない。いや、今、容赦しない。

 俺は扉を開けて屋上に出た。

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