表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/66

神秘の種。6

 空高く伸びた枝には満開の花が咲き乱れ、桜の花弁のような花の一枚一枚が神々しい光を放っている。


「……すごい」


 息を飲むほどの幻想的な風景を目にした私はガクッと膝から崩れ落ちた。


 どうやら、能力を使い過ぎたらしい。足に力を入れようとしても、震えて力が入らない。


「アリシアお姉ちゃん!? 大丈夫?」


 心配した様子でフランが駆け寄って来る。


 私は心配そうに見つめてくるフランに微笑むが、私自身それほど余裕があるわけではない。


「フランちゃん……悪いんだけど、誰か呼んで来てもらえるかな?」

「うん……待ってて……」


 私の額から流れる汗を見てフランは尋常ではないと悟ったのか、助けを呼びに走って行った。


 その後ろ姿を見送ると、私は気を失ってしまった。


 気がつくと私はベッドの上にいた。


 ベッドに眠る私をフランとセリアが心配そうに見下ろしていた。


 セリアは私が目を覚ましたのを見て、猫耳をぴょこぴょこと動かした。


「アリシア様! 目を覚ましたのです!」

「……セリア?」


 私はセリアの顔を見ると、セリアはにっこりと笑う。


「あたしお水持ってくるのです!」

「ありがとう。セリア……」


 セリアは急いで水を取りに部屋を出て行った。


 フランが私の顔を見てホッとしたように胸を撫で下ろす。


「……アリシアお姉ちゃん。無理しないでね?」

「ごめんなさい……私も体力をこんなに消耗するなんて思わなくて……」

「……今はゆっくりしてね……」

「……分かったわ。フランちゃん……」


 フランにそう言われた私はベッドの上で頷いた。


 そこにセリアが水の入っている容器を持って部屋に入って来る。


 セリアは容器からコップに注いだ水を私に渡してくれる。


「はい……アリシア様。どうぞなのです」

「ありがとう」


 私はその冷たい水を飲むと、セリアにコップを返した。


「私も少し休むわね……」

「分かったのです!」

「……うん。分かった」


 セリアとフランは頷いて私を寝かせるために部屋から出て行ってくれた。


 相当、消耗していたのか目を覚ました時にはもう朝になっていた。


「……今は? 何時だろう……」


 まだ、起きたばかりで頭も働かず目も微かに見えるくらいだ。


 不意に隣を見ると、そこにはアレクが優しく微笑んでる姿があった。


「良かった……アリシア……」

「……アレク?」


 アレクは私の頬に手を触れると、彼の白銀の髪と憂いを帯びた氷のような水色の瞳が私を見つめている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ