神秘の種。3
サーベルパンサーは鋭い牙を剥き出しにして涎を垂らしている。
ガォォオオオオオオオオオオオオッ!
咆哮とともに突進してきたサーベルパンサーに向かい、グラベルは槍を振り抜くと衝撃波でサーベルパンサーは後方に吹き飛ばされるように地面に叩きつけられるが素早く立ち上がり再び襲い掛かってきた。
「はっ!!」
グラベルは再び槍を突き刺そうとするが、サーベルパンサーはそれを紙一重で避け、爪でグラベルを切り裂こうとしたがグラベルは直前で避けることができた。
今度は槍で受け止めると鍔迫り合いの状態になったが、グラベルの方が力が強いのか徐々にサーベルパンサーを押し返していく。
耐えきれなくなったサーベルパンサーが大きく後ろに飛び退くと、それを見逃さなかったグラベルがサーベルパンサーに向かって走り出すと、それを迎え撃つためにサーベルパンサーもまた走り出した。
グラベルの槍がサーベルパンサーの額に刺さると、とうとう巨大な黒豹は動かなくなってしまった。
「やったの!?」
「ええ、もう死んでいますので安心してください……」
グラベルが倒れたサーベルパンサーの額から槍を引き抜くと、私とフランがゆっくりと近づいて行く。
「いけない……アリシア様。フラン様。獣は生命力が強い。死んだからといって、うかつに近づいてはなりません」
「……わかりました」
「さあ、先を急ぎましょう……」
グラベルは警戒しながらサーベルパンサーから離れると、そのまま樹海の中を進む。
ようやく目的の場所である神秘の種がある広場のような場所へと辿り着く。
「すごいですね……これが神秘の種ですか?」
「ええ、アリシアお姉ちゃん。これを使えばポーションの効果が何倍も高くなるはずよ……」
そこには桜みたいな花が咲いた木が一本だけそこに生えていた。
きっとその木から取れる種……それが神秘の種なのだということを理解した。
その木に近づくと地響きが周囲に響く……
「……な、なにが起こっているの!?」
私は不思議に思いながらグラベルの方を見ると、グラベルは周囲を警戒している。
「……アリシアお嬢様。フラン様。あれがこの森の主です!」
「……え!? あれが……サーベルタイガーとは桁が違い過ぎる!!」
目の前にいるのは木よりも遥かに巨大な化け物であった。
白銀の毛並みに青い瞳の巨体の神々しいオオカミに私の目は釘付けになる。
その美しい白銀の毛並みは日光を受けキラキラと輝いている。
私は目の前に現れたのが伝説上の生き物フェンリルであることは言われなくても無意識に理解してしまう。




