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アリシアのポーション製造。9

 気がつくと私はベッドの上に寝かされていた。


 目を覚まして辺りを見渡すと、ベッドの横にアレクが座っていた。


「大丈夫か? アリシア……風呂場でのぼせて倒れたと聞いたが……」


心配そうに私を見るアレクに、私は記憶を呼び起こす。


 どうやら私はお風呂でのぼせて倒れたことになったらしい……


 手を握ってくれるアレクに、私は微笑みを浮かべる。


 彼が側にいるだけで心が安らぐのを感じる。


「……心配かけてごめんなさい」

「そんな事など気にするな。今はしっかりと休め、後でセリアがなにか食べ物を持ってきてくれる」


 アレクはそう言ってしばらく無言でいたが、徐に重い口を開いた。


「……アリシア。やはり、ポーションを作るのが体に負担をかけているんじゃないのか?」

「大丈夫よ! アレク! 絶対そんなんじゃないから!」


 表情を曇らせるアレクに私は布団からガバッと慌てて起き上がる。


 その直後、私の体を包み込むようにしてアレクが私を抱きしめる。


「……アレク?」

「アリシア……もう、俺は耐えられない……君が眠っている時にふと頭をよぎるんだ……このまま、二度と君が目を覚さないんじゃないかと……俺は、君が側にいるだけで十分なんだ……」


 アレクは今にも泣き出しそうな子供のようなの表情で私を抱きしめる腕に力を込めた。


「……アレク。私……大丈夫。アレクが私を想ってくれるように……私もアレクの役に立ちたいの……だから、もう少し私のやりたいようにさせてほしい……」

「分かった……ただ、もう倒れるのはなしにしてくれ……俺の方がもたない」

「……ええ、約束するわ」


 私はアレクの背中に腕を回して優しく彼の背中を撫でる。


 アレクの温もりを感じながら私は彼に抱きついたまま静かに目を閉じた。


「……アリシア」

「……アレク」


 まぶたを開いた私達は互いに顔を見合わせて唇と唇を重ね合わせ、再び目を閉じて体を抱き合う。


「んっ……んっ……」


 私とアレクはしばらくの間、互いの愛を確かめ合うように深いキスを続けた。


「ご主人様! ご飯を持って来たのです!」


 その時、セリアがドアを叩く音が響いた。


 私とアレクは慌てて唇を離すと、顔を真っ赤に染めた私に変わってアレクがセリアに返事をした。


「……入っていいぞ!」


 セリアはカートを押して部屋に入ってきた。


「ご主人様! アリシア様! ご飯なのです! あれ? アリシア様。顔が少し赤いのです? まだ、体調が悪いです?」


 心配そうにそう言ったセリアに私は微笑みながら言った。


「大丈夫! もう良くなったから!」

「そうなのです? なら、良かったのです!」


 セリアは笑うと、カートに乗っていたお盆からシチューとパンの入った皿を手に取った。

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