アリシアのポーション製造。3
私は嬉しくて思わずフランに抱きついてしまった。
「ありがとう、フランちゃん! でも、フランちゃんも忙しいんじゃない? 私の仕事に付き合わせるのは悪いよ……」
「……大丈夫。それにアリシアお姉ちゃんと一緒なら楽しいから……手伝って欲しい時はなんでもフランに言って……」
フランは抱き付かれて表情は恥ずかしそうだったが、じっとして受け入れているということは満更でもないのだろう。
アレクが妹のフランに私を手伝うように言ったのは、情報漏洩の危険を極力減らす意味合いがあるのだろうが、私が少しでもお願いしやすい相手を選んだのかもしれない。
私とフランは畑でまずは薬草作りを始めた。
薬草がなければポーションはできない。それに私の能力を試してみたい気持ちもあった。
私は土の中に薬草の種を植えると、じょうろで水をかけてから両手を前に突き出した。
目を閉じて集中すると、土からにょきにょきと植物が生えて一瞬で成長した。
「……アリシアお姉ちゃん。大丈夫?」
フランは心配そうに私を見て言った。
「大丈夫! 全然、なんともないわ!」
私がそう言って笑うと、フランは安心した様子で表情を和らげる。
別にフランちゃんを心配して言ったわけじゃない。本当に体が馴染んだのか、魔力の巡りがいい……これなら、何回でも使っても大丈夫そう……
そう私が思いながら、再び他の種を植えると、また能力を使って植物を育てていくと、あっという間に薬草をたくさん収穫することができた。
「ふぅ……いっぱいできたね!」
私は額に手を当てて汗をぬぐった。
「フランちゃん! 薬草を運ぶのを手伝ってくれる?」
「うん。分かった」
フランは快く私に頷いてくれた。
そして、フランと一緒に収穫した薬草を持って、屋敷に運ぶと調合の準備をする為の準備を行った。
フランに鍋など道具類の準備をしてもらってる間に、私は薬草を洗ってナイフで細かく刻んですり鉢で薬草を擦り潰す。
それを沸騰させたお湯に入れて、煮込んでいくと鍋の中の液体が青色へと変わっていった。
その液体が入った鍋を冷やすと、液体が青から赤へと変化した。
私は煮込んだ液体を冷やす為に別の容器に入れて、魔法で冷やす冷蔵庫に保管した。
「よし……完成かな……」
私はフランに微笑みかけると、フランはドヤ顔で親指を立てる。
「フランちゃん。手伝ってくれてありがとう! 後は瓶に詰めるだけだから大丈夫。先に戻っててね! 後でお茶会しましょ!」
「分かった。じゃあ、私は部屋に戻ってる……」
そう言って、フランは自分の部屋へ向かった。
守護精霊ガイアの力が上手く使えているのか、疲労感は少なくなっているがゼロではない。
椅子に深く腰掛けて息を吐くと、目を閉じて深呼吸した。
そこにアレクがやってきて、私の肩に手を置いて耳元で囁いた。
「……アリシア。お疲れ様」
「アレク! 見ててくれたの?」
「あぁ、さすがは俺の婚約者だ……」
私はアレクの顔を見ると、アレクは私の頭を撫でて優しく微笑む。
「私もアレクの役に立ちたいの……」
「……無理だけはするなよ?」
アレクはそう言いながら、椅子に座る私を包み込むようにしてギュッと抱きしめた。
私はそんなアレクの背中に手を回してぎゅっと抱きしめ返す。
アレクに抱きしめられながら、幸せな感覚に包まれていた。




