アリシアの守護精霊。3
そんな時、馬車の窓から外を眺めていたフランが指差しながら言った。
「神殿が見えてきたよ!」
フランは白い城のような美しい建物を指差して叫ぶ。
神殿の前に馬車が停まり、私はアレクに手を引かれながら馬車から降りると、真っ白な宗教服に身を包んだ高齢の男性が笑顔で近づいてきた。
「ようこそいらっしゃいました。アレク王子とビクトリア皇妃。フラン王女にアレク王子のご婚約者であられるアリシア様……私はアポロ教の教皇である。フリードリッヒ53世であります。さあ、さあこちらに……」
白髪頭のフリードリッヒ53世は馬車から降りた私達を神殿の中に案内する。
神殿の中はステンドグラスから差し込む光が地面を色鮮やかに照らし出して静かで幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「アリシア様。こちらです……」
「はい」
フリードリッヒ53世は私を神殿の奥にある祭壇に案内する。
祭壇には石造りの寝そべる場所があり、奥には水晶のような丸い頭ほどの大きさの宝石が埋め込まれた円形の石板が配置されている。
その奥には翼の生えた女神の像が立っていた。
私がその前まで行くと、修道服のシスターが数人出てきて私の周りに集まってきた。
「アリシア様。これから儀式の準備をしますので、入浴で穢れを落とした後に儀式用の衣装に着替えて頂きます。大丈夫……シスター達がお手伝い致しますからご心配なく……」
「……は、はい。よろしくお願いします」
シスター達は私の手を引いて私を奥の部屋へと連れて行った。
大きな地下の浴場まで来ると、私の着ていたドレスをシスター達が脱がせる。
「服くらいは自分で……」
「アリシア様。私達にお任せ下さい……アリシア様は心をお鎮めください。もう、儀式は始まっておりますので……」
「……は、はい」
私は言われるがままシスター達に服を脱がされ、一糸纏わぬ生まれたままの姿にされると、シスター達が私の体を泡の付いた布で丁寧に洗う。
くすぐったくて笑いそうになる私を諌めながら、シスター達は私の身体を清めていく。
洗体が終わると湯船に入った。
「ふぅ~。気持ちいい……」
肩まで湯船につかると、私は大きく息を吐いて全身の力を抜いた。
湯船に浸かってリラックスしていると、シスターたちが花びらや油のようなものや薬液なんかをお湯に入れて混ぜ合わせる。
湯船から上がると、年配のシスターが儀式用のローブを持ってきた。
白く透き通るような生地で作られたローブは、まるで天使の羽のように軽かった。
「あの……下着は?」
「神様からの信託を頂きますので、下着は身に付けません。変な感じはするかもしれませんが我慢して下さい」
「……は、はい」
私は言われるままに裸に渡されたローブを羽織るとシスターが言った。
「さあ、アリシア様。こちらへどうぞ……」
「……はい」
シスター達に連れられて来られた真っ白な部屋の中央に化粧台が置かれていた。




