ポーションの精製。8
私の手を取ってアレクが笑顔で言った。
「さあ、アリシア。フランもおいで、部屋に帰ろう……」
「はい。アレク」
「……うん」
私の手を引いて歩き出したアレクの後をフランは付いて来た。
部屋に戻るとアレクが私とフランに向かって突然頭を下げた。
「……本当にありがとう2人共。父上が元気になったのもアリシアとフランのおかげだ……俺は最初はポーションでは父上の病が治るとは夢にも思ってなかった。しかし、フランはずっと諦めていなかった。俺は今までフランに悪いことをしたな。許してくれるか? フラン」
「アレクお兄ちゃん……うん。あたしも本当は諦めていたの。でも、アリシアお姉ちゃんが諦めないでって、一緒にやろうって手伝ってくれたから……」
「そうか……」
アレクは顔を上げるとフランの頭を優しく撫でた。
頭を撫でられているフランも嬉しそうな誇らしそうな表情をして満更でもない。
フランの頭を撫でると、アレクは今度は私の前に来て頭を下げた。
「……アリシア。君のおかげだ。本当にありがとう」
「いえ、私はお義父様の病が治ればと思ってやっただけだから、アレクにお礼を言われることじゃないわ。婚約者のお父様なら、私のお義父様ですもの……当然のことをしただけ……だから……んっ!」
アレクが私の体を抱き締めた直後、私の唇にアレクの唇が触れた。
「ありがとう。君は本当に最高だ……愛している」
「……アレク。私も愛してる……んっ……」
私とアレクはそう言い合って互いの体をぎゅっと抱き合いながら再びキスをする。
その姿を見てフランは頬を赤らめながら視線を逸らしていた。
キスを終えた私とアレクが離れると、アレクの方に近づいて行ったフランが頬を膨らませた両手を広げてアレクの顔を見上げる。
「……アレクお兄ちゃん。フランもぎゅってして……」
「えっ? だが、どうしたものか……アリシア」
「いいですよ。フランちゃんにもしてあげて下さい。アレク」
微笑みながら頷く私を見て、アレクは地面に両膝を突くとフランの体をぎゅっと抱き締める。
フランは満足そうに微笑むと小さな手でアレクを抱き締め返した。
アレクから離れたフランは今度は私の方に来て両手を広げる。
「アリシアお姉ちゃんも……フランをぎゅってして……」
「うん。いいよ」
私はフランのお願いを快く受け入れると、フランの体をぎゅっと抱き締めた。
フランは嬉しそうに笑うと、私から離れてベッドに飛び込む。
「……今日はお兄ちゃんとお姉ちゃんと寝る」
「ええ、いいわよ。一緒に寝ましょう」
「アリシアがいいなら俺も構わない。フランと一緒に寝るのは子供の頃以来だな」
それを聞いた私とアレクはフランの顔を見ながら微笑んで頷いた。
私とアレクとフランは大きなベッドで川の字になって寄り添いながら眠りに就いた。




