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ポーションの精製。6

「…………侵入者だっ!!」


 大きな声が響き、部屋の扉が大きな音を立てて開く。


 そこには兵士達と共に部屋に入ってくるビクトリアの姿があった。


 もう一人の自分に驚き目を丸くするビクトリアの前に兵士達が槍を構えて立った。


「奥様! お下がり下さい!」


 兵士達は槍を持ってじりじりと私の方へと迫って来る。その直後、私の後ろからフランが飛び出して両手を広げて槍を構えた兵士達と私の前に立ち塞がる。


「……アリシアお姉ちゃんはあたしが守る!」

「フランちゃん。いいの……下がって! 危ないわ!」


 そう言って私が覆い被さってフランの体を抱き締めて守るように兵士達に背中を向けた。


「お前達!! 我が部屋での狼藉は許さんぞ!!」


 私が振り返ると、ベッドから立ち上がった皇帝陛下が鋭い眼光で兵士達を睨み付けていた。


 皇帝陛下はベッドからゆっくりと立ち上がると私とフランの前に歩いて来る。


 兵士達は槍を引いて驚いた様子でその場に立ち尽くしていた。それはビクトリアも同じで、驚いて口を手で覆って声が出ない様子で瞳には涙を浮かべている。


「あなた! からだは……からだは大丈夫なの!?」

「……ああ、フランの薬を飲んだら、急になんともなくなったようだ……息苦しさも疲労感もない。まるで昔の私に戻ったようだ」


 皇帝陛下は笑顔で腕を上げ下げして見せた。


 どうやら、フランと一緒に作った薬が効いたようだ。

 

 ビクトリアは涙を流して皇帝陛下に駆け寄るとそのまま、微笑み腕を広げる彼の胸に飛び込んだ。


 その姿を見ていると、私もポーションを作って良かったと思うし、隣にいるフランもどことなく誇らしそうに見える。


「……そうだ。フランにアリシア、このポーションはどうやって精製したのだ? 少し話してくれぬか?」

「ええ、分かりました。このポーションは私が魔法を付与して育てた薬草を使って、フランちゃんが調べた知識を元に作ったものです……」


 私は皇帝陛下にポーションの精製の話を全て話した。


 その話を聞いた皇帝陛下とビクトリアは難しい顔で考え込んでいる。


「うーん。アリシアちゃん……このことは黙っておいた方がいいわね。きっと、あなたの魔法は特別なんだと思う」

「そうだな。我もそう思う……アリシア嬢。君の魔法はとても危険なものだ。人の命を奪う魔法が危険なものなのは言うまでもないが、人の命を救う魔法も同じくらい危険なのだ……死は誰にとっても恐怖だ。それを脱する方法があるなら、皆が手段は選ばない。人は希望を手にする為なら命を捨てるものだ。人は愛する者の命を救う為なら己の命を捨てるものなのだよ。矛盾しているがね……」


 確かにそうかもしれない。誰でも愛する人が死ぬかもしれない状況なら、それを救うためならがむしゃらに努力する。そういうものかもしれない……

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