ポーションの精製。3
「でも、私は挑戦することに悪いということはないと思う。できないのは今までに成功したことがないだけ、絶対にできないってことはこの世にないと私は思うの……だから、フランちゃんのしていることは無駄でも無意味でもない。私と一緒に研究しましょう? アレクには私が怒られればいいんだから……お義父様の病を一緒に治しましょう! フランちゃん!」
「……アリシアお姉ちゃん。うん! フラン。もう一回やってみる!」
「うん! お姉ちゃんと一緒に頑張りましょう!」
力強く頷いたフランの頭を私は優しく撫でると、フランは嬉しそうに私にぎゅっと抱き付いた。
とりあえず。メイド達にお菓子とジュースを貰ったフランは相当お腹が空いていたのか、それを一気に食べると、部屋の隅に置いてあったテーブルの上にあるポーションを作る為の道具の数々を引っ張り出した。
「薬草をすり鉢で細かくするの。アリシアお姉ちゃんも手伝って」
「うん。これをすり潰せばいいのね! まかせて!」
フランからすり鉢と薬草を受け取ると、隣でやっているフランを見様見真似で薬草をぶつ切りにしてすり鉢に入れてすり潰す。
大体、薬草をすり潰し終えると、フランはランプを使ってお湯を沸騰させるまで温めて、そこにすり潰した数種類の薬草を加える。
はちみつ、果実の汁を加えて一煮立ちさせると、薬が完成した。
「……できた」
「やったねフランちゃん! 後はお義父様に飲ませるだけね!」
「それが問題……お父様の近くには人がいるからその人達がいなくならないと……」
「普通に渡したらダメなの?」
私がフランに素朴な疑問をぶつけると、フランは首を横に振った。
「あたしが何回か持って行って、入れなくなった……だから、潜り込まないと……」
「あはは……そうなんだ」
それを聞いた私は苦笑いを浮かべた。
どうやらフランは常習犯なようで、先に手を打たれているようだ。まあ、子供が草を集めて混ぜて作ったものを薬として一国の皇帝に飲ませるわけにもいかないのだろう。
泥団子を作って食べ物として持っていくようなものなのかもしれない……
「なら、作戦会議ね! 忍び込むなら夜まで待ちましょう!」
「うん。アリシアお姉ちゃんと、夜まで一緒にいられるの……嬉しい」
フランはそう言って少しだけ笑った。
私とフランは皇帝の自室に忍び込む作戦を考える為に屋敷の地図を見た。
皇帝の部屋には魔法が掛けられている。入った瞬間に大音量で警報を鳴らす仕組みだ。
また、扉の前には兵士が立っていて24時間侵入者が入れないように監視している。
まさにセキュリティーは完璧だ。そこで、私は考えた。
入れないのなら堂々と前から侵入しようと……
「いーい? 私がお義母様に変装します。背格好も似ているし、髪を染めてお化粧すれば夜だから顔はそんなに分かりません。そしたらフランちゃんは私のドレスのスカートの中に隠れて、兵士達に扉を開けてもらう……完璧な作戦!」
「……アリシアお姉ちゃん」
私は自信満々に胸を張ってそう答えると、フランは呆れ顔で私を見つめた。




