6話 ポーションの精製。
数日が経ち、体力が回復した私はもやもやとした気持ちで部屋に居た。
あの日、泣きながら医務室を飛び出して行ったフランのことが気になって仕方がない。
だが、アレクは私の為に怒ってくれていた。そんな彼の想いを無視するわけにもいかない。しかし、フランの泣きながら去って行く時の姿が自分の幼い頃と重なって脳裏に残っていた。
「アレクにはああ言われたけど……でも、やっぱりフランちゃんを放ってはおけない」
私はそういうと、図書室に行ってみることにした。
しかし、図書室で中を探してみてもフランの姿はどこにもない。次に私はフランの部屋に向かった。
フランの部屋に着くと、メイド達がお菓子やジュースなどを持って部屋の前にたむろしていた。
「……アリシア様。お体はもう良いのですか?」
「ええ、それで……こんなに部屋の前に集まってどうしたのですか?」
「実は……フラン様が部屋に閉じ籠もってしまって……アリシア様が倒れてからなにも口にしていないんです。ですから、こうしてフラン様が好きなお菓子やお飲み物を持ってお部屋から出るのを待っているのですが……」
「ええっ!? もう数日も部屋から出てないんですか!? しかも何も食べてないって大変じゃないですか!!」
メイド達の話を聞いた私は驚き、メイド達の間に割って入ってフランの部屋のドアを叩いた。
「フランちゃん! 私よ、アリシアよ! 部屋の扉を開けて!!」
「…………嫌です。あたしはもう、この部屋から出ません」
「そんなこと言わないで! お義父様を助けるのはどうするの? せっかく本で色々調べて努力していたのに全部無駄になっちゃうのよ?」
「…………放っておいてください! アレクお兄ちゃんが言ってた通り。どうせ、最初から意味はなかったんです!」
フランの意思は固いのか、何度ドアを叩いても部屋から出てきてくれる様子はない。だが、このまま部屋の中に籠もりっぱなしだと、食事も取らずに衰弱してしまう。
私はフランの説得を諦めて、別の方法を試すために廊下を走ってある場所へと向かった。
次に私が向かったのは竜舎だ……多くのドラゴンがいる中、近づく私に興奮して咆哮を上げるドラゴンに萎縮していると、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「アリシア様!? どうしてこんな場所へ!?」
声の主はアルベルトだった。
アルベルトは私が急に竜舎にやって来たことに驚いたようで、まるで幽霊かモンスターでも見るような目で私のことを見ていた。
「アルベルト様。何も言わずに私をドラゴンに乗せてもらえませんか?」
「えっ? はっ? で、ですが……どこに?」
「行けば分かります!」
困惑するアルベルトにそういうと、私の真剣な瞳を見てアルベルトも事の重要性を察したのか小さく頷いて赤く長い髪を翻してドラゴンの準備をした。




