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義妹。7

 小さく頷くと、フランは大きな紫色の瞳を私に向けてくる。美少女に頼まれると、嫌とは言えない。


 私は仕方なく、再び治癒魔法を薬草に掛けた。


 すると、再び植物が一瞬でにょきにょきと伸びていく。


「次はこれ……次、次、次…………」


 私が魔法をフランが指差す薬草に発動していると、急に私の見ていた世界がひっくり返る。


「はぁ、はぁ、はぁ……あっ、これやばっ……」


 私の体はゆっくりと傾きバタッとその場に倒れた。


 極度に魔法を使い過ぎた時に現れる魔力切れの症状だ。


「アリシア様!? 早く、アリシア様を医務室に! 大丈夫ですか? すぐに…………」


 視界が歪みぐるぐると高速で回る世界でメイド達が心配して駆け寄って来る声だけがフィルターが掛かっているような変な感じで聞こえていた。


 私の意識は徐々に遠退き、心配そうに私を見下ろしているフランの顔を最後に私の意識は完全に途絶えた。


 気がつくと、そこは見知らぬ天井だった……


 白衣を着た男性が私を見下ろして安堵した様子でホッと胸を撫で下ろす。


「はぁー、良かったです。アリシア様、気が付きましたか? なにかおかしな事があればなんでも言って下さい。マナポーションで失った魔力を補給しましたが、身体の異常はすぐには解決しませんから、当面は絶対安静ですよ?」

「……はい。ありがとうございました」


 私は全身に力が入らず、寝たままで返事をした。


 まだ、指先が痺れているような感じがする。全身がだるく、脱力していて体に力が入らない。


「お姉さん……ごめんなさい……」


 そこに心配そうな表情で見下ろすフランの顔が視界に入ってきた。


 今にも泣き出してしまいそうな顔をしてしいるフランに私は優しく微笑み返す。


「大丈夫よ。私が調子に乗って魔法を使い過ぎちゃっただけだから……フランちゃんが悪いわけじゃないわ。だから、そんなに気にしないで……少し休めば元気になるから……ねっ?」

「……うん」


 私が微笑みながらそういうと、フランも小さく頷いた。

 

 その時、医務室のドアが勢い良く開いてアレクが飛び込んできた。


 高貴な衣装に息を切らせた彼の顔は汗が吹き出して、せっかくの衣装もはだけて汗で濡れていた。


「はぁ、はぁ、はぁ……アリシア! 倒れたって聞いて……はぁ、はぁ……大丈夫なのか?」


 アレクは肩を大きく揺らしながら荒く呼吸を繰り返しながらベッドに寝ていた私の方へと歩いて来た。


「大丈夫よ。少し魔法を使い過ぎちゃっただけ……心配しないで、少し休めば回復するから」

「そうか……良かった……」


 アレクは寝たまま微笑む私に安心した様子でベッドの脇に腰を下ろして、私の手を握った。


 私は疲れ切った表情で項垂れているアレクに、それだけ私を心配して走って来てくれたのだと分かって嬉しくなった。

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