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義妹。5

 私と女の子は近くのテーブルまで歩いて行くと、椅子に並んで腰を下ろした。


 女の子は私の隣で本を開くと、一生懸命に本の中に目を通していた。


 それを私は隣で優しく見守っていた。


 しばらくして、女の子が隣で微笑んでいた私に話しかけてきた。


「……お姉さん。アレクお兄ちゃんの婚約者でしょ?」

「えっ? う、うん。そうよ?」


 私が少し驚きながらそう答えると、女の子はまた頬を赤く染めて俯きながら小さな声で言った。


「……お姉さんなら、いいかな」

「ん?」

「あたしはフラン……フラン・ノーゼス。アレク・ノーゼスの妹よ。お姉さんはさっきあたしの言うことなんでも聞いてくれるって言ったよね?」


 なぜかなんでも言うことを聞くことになってしまったらしい。だが、まだ幼い女の子のお願いなんてたかが知れている。


「うん! いいよ。なんでも聞いてあげる!」

「……そっか。なら、教えて? アレクお兄ちゃんとはもう子作りしたの?」

「………………はい? こ、こず! 子作り!?」


 フランから飛び出した突然のワードに私は一瞬の思考停止の後、声がうわずっしまうくらいに驚きうろたえる。


 真剣な顔で顔を真っ赤にしていり私を見つめてくるフラン。


 だが、所詮はまだ子供。ここはうまく言い包められるはず。


「いーいフランちゃん。赤ちゃんはコウノトリさんが運んで来るんだよ? だから、私が頑張ってもどうしようもないんだ」


 膝を折って優しく微笑みそう説明すると、フランは露骨に嫌そうな顔をして不機嫌になる。


「お姉さんもお母さんと同じ……フランは知ってる。赤ちゃんは男の人と女の人がベッドで裸で抱き合って……」

「……あー!! わー!! わー!! ストップ!! ストープッ!!」


 私は顔を真っ赤にしながら手をブンブンと振って、フランの言葉を遮るように大声を上げた。


 フランは更に不機嫌そうな顔で頬を膨らませながらそっぽを向いた。


「フランちゃん。そんな話、どこで聞いたのかな?」

「……本で読んだ」

「あぁ……ほ、本でねー。ふーん、そうなんだぁ……」


 どうやら、フランは年齢の割にはだいぶおませさんなようだ。


 子供を一人で図書室に置いてはいけない。そう私は肝に銘じた……


「お姉さんは信じられると思ったのに……他の大人と同じ……もういい!」


 そう言って椅子から立ち上がって走り去ろうとしたフランの手を掴んで、それを止めた。


「ごめんね! 私が悪かったわ。しっかりとフランちゃんの話を聞くから! 今度は嘘は言わない! だから、もう一度だけ私の事を信じて!!」

「……うん。わかった」


 少し不服そうではあったがフランはどうやら、私のことを完全に見限ったわけではないらしい。

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