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義妹。4

「……これだけの本があれば、私の悩みなんてすぐに解決ね。まあ、本を探すまでの方が悩んで大変そうだけど……」


 私は凄まじい本の数に気圧され、すでに心が折れそうになっている自分の頭を激しく左右に振っ

た。


「だめだめ! なにを弱気になっているの? しっかりしなさいアリシア! これくらいの試練に弱気になってはだめよ! アレクの隣にいられるような女性になるって決めたんだから! 頑張れ私!」

「……うるさいですよ。図書室では静かにして下さい」


 私は突然聞こえてきた声に驚き、またさっきの独り言を聞かれた恥ずかしさから顔を真っ赤に染めた。


 声の主はまだ幼さの残る女の子で、年齢は12歳くらいに見えた。アレクと同じ美しい白銀の長い髪に瞳は紫色で、その手には体に合わない分厚くて重そうな本を何冊も抱いていた。

 

「それ、重いでしょ? 私が持ってあげる」

「……大丈夫」

「いいから、遠慮しないで」


 私は女の子が胸に抱えていた分厚い本に手を伸ばすと、女の子は体を横に向けてそれを拒否した。


 しかし、その瞬間。彼女の持っていた本が女の子の腕から離れて地面に落ちた。


 女の子は驚き顔を青ざめさせ、慌てて私が拾い上げようとしゃがむ。


「……これって医学書と薬学書。っと、薬草の育て方?」

「……ッ!! 返して!!」


 女の子は叫ぶと地面に広がった本の上に覆い被さる。


「もしかして。あなた……皇帝陛下の病を治す為に?」

「……これはお姉さんには関係ない!」


 女の子は涙を浮かべながら本を拾い集めると、それを持って走り出した。


 私がそれを追いかけると、重い本を持っていた女の子はすぐにバランスを崩して転びそうになる。


 私は咄嗟に女の子の体に腕を回すと、自分の方へと引き寄せた。


 転びそうになった女の子は私に抱えられるようにして倒れなくてすんだ。


「走ったら危ないわ。大丈夫だった?」

「……うん」


 私が優しくそういうと、女の子は頬を赤く染めながら俯き加減に小さく頷いた。


 急にしおらしくなった女の子は、恥ずかしそうに頬を染めながら俯いて私と目を合わせてくれない。


 膝を折って何度か女の子と視線を合わせようとしたものの、その度にあからさまに視線を逸らされる。どうやら、嫌われてしまったようだ……


 ため息を漏らしながら、私は女の子に優しく話しかけた。


「私にも協力できることがあれば言って、必ず力になるからね!」

「……なら、この本を」


 女の子は恥ずかしそうに胸に抱えていた本を私に渡してきた。


 さっきは持たせてくれなかったのに、どうやら今度は私が持ってもいいらしい。

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