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第一章 破婚の日

雪が降っていた。


 白銀の庭園に赤い絨毯が敷かれ、祝福の花が風に靡く。

 その真ん中でエレオノーラ・ルナーテ・シャリエールは跪いていた。

 王子ローランの前に両手を震わせながら差し出し、涙を堪えている。


「……私は何もしておりません」

「何もしていないだと? ならば何故我が婚約者の魔導書が破られ、魔力が暴走したのか……説明できるか?」


 ローラン王子の声は冷たく、凍てつくような憤りを含んでいた。

 彼の手には破れた魔導書の残骸が握られている。

 表紙にはペンキでエレオノーラの家紋が刻まれていた。


「私は決して何も──」

「証拠は全てお前を指している。お前の妹が部屋からこの本を盗み出したと証言しているのだ!」

「……妹?」


 エレオノーラの心臓が、止まったかのように凍てつく。

 双子の妹のソフィーナは、生まれてからずっと影のように自分に寄り添っていた。

 静かで、控えめで、いつも自分を守ろうとしていた。


「ソフィーナ……? どうして……?」


 その場にソフィーナはいない。

 証人は使用人の一人と、彼女の筆跡を偽った手紙だけだった。


「エレオノーラ・ルナーテ・シャリエール。お前は破婚され、貴族の座を剥奪される。即日、屋敷を追われよう」


 雪が彼女の頬を撃ち、涙と混ざって溶けた。


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