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普天間ふしぎ語り

昭和30年頃の沖縄風物、風俗を語る

  石灰岩を砂利で固めた道を普天間基地所属の米軍ジープが走って来た。

 道路一杯に散らばって遊んでいる子供たちの前で止まり、米兵が降りてくるなり紙箱から大きな手で鷲掴みされたチョコレートを差し出す。  子供たちは一斉に群がり 「ギブミーチョコレート 」と叫ぶ。

 米兵はニタリと笑みを浮かべ道にばら蒔いた。 青鼻を手で拭って頬をテカらせた子、膝におできの膿が滴ってる子、どの子も赤土で汚れた服を着て栄養不良気味だ。


 戦争で沖縄本島中南部はかなりの土地が焼け野原になった。

戦後田畑は開墾され初め、インフラ等も整いつつあり、ようやく復興の兆しが見えてきた頃である。

戦後15年、日本本土で収穫されたやや黄色く変色した古古米を主食に、季節の野菜などを炒めたちゃんぷるーと味噌汁といった質素な食事が主で貧しい暮しだった。 


 チョコレート!こんなに贅沢で美味しく、決して自分では買えない食物がばら撒かれている。

子供たちは嬉々として、一斉に道に這いつくばりチョコレートを拾い集める。

 米兵はそれを見てバカにした顔をするヤツもいるし、恵んでやったと満足そうなヤツもいる。 優しく微笑む米兵もいる。何処にでも色んなヤツがいるよな。

 すぐに包装を剥がしチョコをかじりだす子、大事そうに家に持って帰る子。子供達の行動は様々だ。 


 そんな日の夜、不思議な夢をみた。 道にチョコレートではなく、1セント玉が散らばっていて、掘ればウジャウジャと鈍い銅色のコインが湧いてくるのだ。

 何故1セント?10セント玉でも50セント玉ても銀色に輝くコインが豪奢なのにね。

 まぁ、当時5才の子供だったし、 お金といったら1セント玉! しか頭になかったんだろうね。          

ちなみに当時ハーシーの板チョコレートは10セントだったね。

 あれだけコインがあればチョコレートが好きなだけ買える! 子供らしい夢だよね。




チョコレート夢の食べ物

美味しいかな!

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