決意
私は、殺処分場に向かっていた。
もし平民は魔力があった場合、本当は殺処分される。大きくなると魔力が暴走し、対応するのが面倒だからだ。
私の生まれは商人の家系で商売は得意。うちは収穫した野菜を売っていた。しかし、年を重ねるごとに体が重く感じるようになったので、医者に見てもらうと何故か魔力が宿っていたのだ。
その為、私は明後日の朝神様の貢物として殺されるのだ。私には未来などない。この時の私はそう思っていただろう。
「この部屋だ。絶対に出るなよ、魔女め。」
「やめてやれw。明後日までの命が可哀想だぞw」
私を嘲笑うように街の番人は話していた。
もうどうでも良かったけど、静かにしてほしい。私の心はどん底に陥っていた。別に欲しくて魔力があるわけじゃないのに、、。どうして私はこんな苦しまなくてはいけないの?私の目には自然と涙が溢れてきた。
「うわ、泣き出したw」
番人はまた私のことを話している。
しばらくして彼らは私の部屋に鍵をかけ、行ってしまった。
そこから沈黙の時間が続いている。静かで幸せだ。ずっとこんな時間が続いて欲しいと心の底から思った。
私の家はお母さんとお父さん、お兄ちゃん、弟の5人家族。
兄は4年前この国の内戦で軍隊として戦場に行かされ、戦死した。
弟は去年、流行病にかかり病死していた。
父と母の願いは私が大人になること。今14歳だからもう少しだったのに。2人の願いを叶えることが私の目標だった。なのに、こんなとこで死んでもいいのだろうか?
私の心の中で火がつく。ここから逃げるんだ。
私は2人、兄と弟の分まで生きるんだ。私はここからの脱獄計画を立てていた。明日になれば広い中央の罪人収監場に行ける。そこで逃げる方法を考える。それしかない。
私は決意をした。