婚約騒動
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——オレはとある衝撃的な事実を知ってしまった。
ライラさんやセシティアさんが姉妹関係であることもだが、オレは最も大事なことを思い出していた。
それは前にオレはセシティアさんから婚約を申し込まれていたのだ。
忘れていた……、完全に忘れていた。
そう考えたオレは一人心の中で焦っていた。
どう見ても完全に修羅場でしかない!
いや、画的に見ればライラさんの妹がセシティアさんならばオレがセシティアさんと婚約すればライラさんはオレの義姉になってしまう。
そこは別に問題ではない。
…では一体どこに問題があるのかって?
思い出してみよう! ケモ耳少女シティーヌが言ってたことを!
シティーヌはオレのことを『みこさまの旦那様』と言ったのだ。
つまりオレはライラさんの婚約者でもあるということだ。
…え? 何でそういうふうな解釈になるのって?
まあ、細かいことは置いといて……。
『二人の令嬢に婚約されるってめちゃくちゃハーレムじゃん!』と喜びたいところだが現実的にはほぼ修羅場だ。
つまりだ!
八方塞がりとはこのことを言うのだろうか?
『日本』で恋愛もしたことがないオレにとってどうしようもない状況だった。
これが衝撃的な事実ということだ。
「ハァ、なるほど。そういうことか…」
…な、何が!? 何がなるほどなの!?
ため息をつきながら放ったライラにオレは動揺を悟られぬように必死でポーカーフェイスを装うことにした。
「セシィ、まさかとは思うがボクの婚約相手をトビに選んだのか?」
「え!? 何でわかったの!?」
…ああ、やっぱりそうだったのかぁ。
オレがライラさんの婚約者だったのかぁ……、って、え?
ライラの言葉とセシティアの反応でオレはついさっきまで自分の中で抱えていた修羅場的展開が一気に覆されたような感覚になった。
「ライラさん、オレがライラさんの婚約者ってどゆこと?」
「ああ。実は根も葉もない噂を信じてボクを婚約させようとしているんだ」
「…そんなのわからないじゃん! もしかしたら本当かもしれないし…」
根も葉もない噂、婚約、セシティアさんの図星をつかれた反応を見てオレはあることを思い出した。
それは『婚約すれば、願いが叶う』というものだった。
…ああ、確かに。そんなことを言ってたような気がするなぁ。
まあでもこの娘なりに一生懸命考えた結果じゃないかな。
「とりあえず、この話はこれで終わりだ! もう夜は遅い、セシィも今夜は村の民家に泊まっていけ」
「姉様、待って!」
セシティアが制止も聞かずライラはそれだけ告げると村の方へと戻っていった。
ライラが去って行った後にセシティアも肩を落としながら村の方へと歩いていく。
…婚約すれば願いが叶う、か。
そんなことあるわけないと思っていても心のどこかで僅かな期待を抱いてしまう。
その気持ちはわからないわけじゃないがあまりにも無謀な考えだな…。
静まり返った夜の村の入り口でオレは風にあたりながら酔いを覚ましていた。
——村の宴も終わり、皆寝静まっていた。
オレはいつものように武装保管庫で武装の整備をしていた。
ふとライラとセシティアの二人の会話を思い出していた。
…『婚約』、か。
とりあえず頭の中を整理するとセシティアは『婚約すれば願いが叶う』という噂を信じてライラさんの婚約者を探していた。
どういうわけかその相手がオレになっていたが…。
姉を想っての妹としての行動だったのだろう。
だが当のライラさんは婚約の話などまるで興味がない感じだった。
そんなことを再確認してなぜか落ち込んでしまうオレ。
「…いや、別に婚約というものに興味があっただけで…、別にライラさんと結婚したいとかそういうわけじゃねぇし!」
「婚約とか結婚とかあんた相手くらいちゃんと決めなさいよね」
「うるせぇな!」
背後からどこからともなく聞こえてきた声にオレは咄嗟に反応してしまった。
勢いよく振り返るとそこにいたのはあの不法侵入が得意な女神がいた。
「ああ、あんたか…」
「何よ! そのガッカリしたような表情は!」
…したようなじゃなくてしてるんだっての!
そう言いたいがやめた…。
「ちょっと! 今失礼なこと言ってるでしょ!」
そう、この女神にはオレの考えていることが全て丸聞こえなのだ。
「ああ! やっぱり考えているでしょ!」
「いいからさっさと用件教えろ」
「ムキーッ!女神に対してなんて失礼な態度なの!」
女神は相変わらずプンスカと怒っていた。
「それより、今回は誰の何の生まれ変わりなんだ?」
「あら、今日はえらく話が早いわね」
「そりゃ、女神のあんたが出てくるということは大体それしか思いつかねぇだろ」
「あなた、意外と鋭いわね!」
…この女神はオレのことをどんだけ鈍感やろうだと思ってんだ?
オレはこの女神に苛立つのはいい加減やめようと思うがやはり無理だ。
なぜだ? やはり顔か? 顔なのか?
「だからあなたさっきから失礼なこと考えすぎよ…」
やはり女神には全てが見透かされているのであった。
「まあいいわ! さっさと本題に入りましょ!」
「おう…。切り替え早ぇな。それでどっちだ? 魔女か、精霊か?」
「精霊よ!」
ふむ。『精霊の生まれ変わり』か。
あとは誰がその『生まれ変わり』なのかだがオレはそれについては一人、心あたりがあった。
「なあ、その『生まれ変わり』って、まさかライラさんのことか?」
「当たり!」
そう言いながら女神はウインクしてきた。
…そんな宝くじが当たったテンションで言われてもなぁ…。
「それだけ分かればあとはもう大丈夫そうね! それじゃ私はもう行くね!」
「ちょっと待ってくれ!」
女神がさっさと帰ろうとしていたところをオレは気になることがあり引き止めた。
「何よ? 私、これでも忙しいんだけど…」
「あんたはこの世界のことをどこまで知ってるんだ?」
そう、オレは『魔女の生まれ変わり』であるハルさんやユウナさん。
そして『精霊の生まれ変わり』であるユリアーナさんやライラさん。
今まで感じていた疑問だ。
「答えてくれ。あんたはオレをこの異世界をどうしようとしてんだ?」
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