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青髪のみこ様

——ケモミミ少女のシティーヌをサラマンダーから救ったのは遅ればせながら到着したゴールドアーマーだった。


猛スピードで飛んできてそのままサラマンダーの顔面に向かって直撃した。


その勢いのままサラマンダーは数メートル先へと転がっていった。


砂煙を上げなからシティーヌの前に立ち塞がるゴールドアーマー。


他の獣人たちは突然のことで呆然とした表情で見ていた。


まあ、そんな表情になるのもわからなくもない。


いきなり魔物が現れて襲われたと思ったら今度は(よろい)を身に纏った者が現れて魔物を吹っ飛ばすという状況を理解するには相当時間がかかる。


だが今目の前で起こっているのはこれが事実なのだ。



「早く、逃げろ……」



ゴールドアーマーが地面に座り込んでいるシティーヌに向かって静かに言うと

『うん』と頷くと姉のシャルルの方へと走っていった。


シャルルはシティーヌを思いっきり抱きしめると涙を流しながら「よかった」と独り言のように呟いた。


その光景を見て安堵のため息をついてホッとしたあとサラマンダーのほうに向きなおり凝視する。


奴は相当タフな身体の持ち主のようでキズ一つついていない。


「人間の皮膚もあれぐらい硬かったらな」とついどうでもいいことが頭をよぎってしまった。


サラマンダーはまだあまり視界がはっきりしていないのか頭をふりながら起き上がる。


やはりさきほどの突進にも似た追撃はかなり効いたみたいだ。


だがこれでは時間が長引けは奴を回復させてしまう、そうなると致命傷となる決定的なものが必要だ。


そうなると外からの攻撃では致命傷にならない。


では、どうするか…………?


外から攻撃できないのであれば中から攻撃すればいい。


こういう結論にいたるのはわかりきっているがどう攻撃するかが問題だ。


ここで奴に攻撃を仕掛ければこの辺り一帯が戦場になるのは間違いない。


ならばあのロープを使ってサラマンダーをどこか別の場所に連れて行けばいいじゃないかと考えるのは妥当だろう。


しかしそれはサラマンダーに通用しない。


なぜならこいつは巨体のくせに嫌に動きが素早いのと恐らく本能で危険を感じ取っているのか、中々捕まえることができない。


ならば最後の手段はただ一つ、奴の口の中に入るしか方法はない…!



…あまりいい手段ではないが、これでいくか!



オレは覚悟を決めてサラマンダーの体内への侵入を試る。


両拳を突き合わせて炎を灯して飛行態勢の準備に入る。


サラマンダーもオレを威嚇して攻撃する準備は整っているようだ。



「…一か八か、だ!」


「水よ! 汝のチカラを宿す我が命ずる、その姿を現せ!

水場の聖域(ウォーターシールド)!」



『いざ尋常に!』と意気込んで飛び出そうとした瞬間に後ろから誰かの声が聞こえるとサラマンダーの周りに大きな水溜りのようなものが現れ、そのままサラマンダーの動きを封じた。


一体何事かと思い、後ろを振り返るとそこにいたのは青髪の

綺麗な翠色の瞳をした美少年が立っていた。



「え…? だれ…?」


「巫女様!」



オレが突然現れた美少年にポカンとしているシティーヌが明るい笑顔でそう呼んだ。



…え!? みこって、名前? それとも愛称? どっち?



『みこ様』と呼ばれたその美少年にオレの頭の中は混乱するばかりだった。



「おい! 何してるんだ! 早くトドメをさすんだ!」


「…え? お、おう……」



呆然としているとそう言われ、慌ててサラマンダーに向けて

トドメをさす。


サラマンダーは拘束を解こうと必死に暴れているがそれよりも強いチカラで抑えられているのか、全く拘束が破られることがない。



「すげぇ、狙いやすい……」



オレはサラマンダーの口の中へと狙いを定めると右手から炎弾を発射する。


炎弾はそのままサラマンダーの口の中に入っていく。


それを知らずにパクリと飲み込んだサラマンダーは一瞬身体を硬直させたあと大きな爆発をさせるとバタリと倒れて動かなくなった。



「…やったか?」


「…サーチ」



サーチでサラマンダーの生命反応を確認すると奴はしっかりと死んでいた。



「大丈夫だ。死んでいる」


「そうか…。よかった……」


そう言うと『みこ様』は安心したようにため息をついた。


その時に凛々しい顔つきからふと柔らかく朗らかな表情になったのを見てドキッとしてしまった。



…いやいや! ドキッて、なに!? 相手は男だぞ!


男相手になんで心ざわついてんだ!?


…いや、男の娘の可能性もあるんじゃ………?



オレは自分自身の急なざわつきに慌てずにはいられなかった。



「巫女様!」



そう呼んで勢いよく抱きついたシティーヌはまるで母親に甘える子供のようだった。



「シティーヌ、もう大丈夫だから。皆ももう安心だ! 結界はまた張り直しておく。ゆっくりと休んでくれ!」



みこ様は獣人たちにそう呼びかける安心したように笑っている者もいれば涙を流す者もいた。


その光景をみていると余程このみこ様とやらは村のみんなから信頼されているのがわかる。



「そうだ、君にも感謝しなくてはな! よかったら名前を教えてくれないか…?」


「ああ、そうだった……」



オレはいつものように装着していたアーマーを脱いで自分の本来の姿を見せる。



「オレの名前はトビだ、よろしく」


「ああ、巫女様の旦那さーん!」


オレの姿を見たシティーヌが指をさしてそう叫んだ。


その言葉を聞いたオレは一旦、思考を停止した。



「…ん? みこ様の、旦那さん? だれが?」



オレが問いかけるとシティーヌは無言で指をさした。


周りをキョロキョロと見渡すが後ろを向いても誰もいない。


かと言って指の方向はしっかりとオレのほうを向いている。



……えーっと、どういうこと?



そしてオレは頭の中が大混乱を起こしていた。






読者の皆さんへ


いつも作品を読んでいただきありがとうございます。

しばらくの間更新しなくてすいません。


これからは更新していけるように頑張って参ります。

よろしければブックマークと高評価をよろしくお願いします。


これからも面白い作品を描けるように励んでいきます。


コメントも受け付けてます。


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