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恐怖のギルド

こんにちは、ハル・グランテです。今日は魔法学校がお休みです。


…なので、トビくんが店を開いている武器屋へときました。


「トビくーん! 遊びに来たよ……って、え?」


「私と付き合ってくれませんか!」


「え……?」


…けど彼はなぜかボクの生徒と一緒にいて、告白されてました。


ユリアーナさんは彼にまるで迫ってるように見えました。

彼はユリアーナさんの力強い眼差しに見られているが彼もまた彼女を異様な目つきで見ている。


「付き合うって、どういうことですか?」


「いや、勘違いしないでよ! 付き合うってのはその、色々あるけど、その……」


ユリアーナの顔は誰が見ても分かるとおり顔を真っ赤にしている。

それはもはや乙女の顔そのものだった。


「あ、ハルさん! どうしたんですか?」


トビはこちらにようやく気づいてくれたのだがなんで今気づくのだろうかとこの微妙な雰囲気なのに。


「ああ、こんにちは。トビくん、ユリアーナさんも……」


「どうも先生……」


気まずいと言ったらありゃしない。


ガルムラ街のとある武器屋で一人のモテない男が二人の美少女男の娘に好意を寄せられていた。



   ——地下、オレ帝国にて——


今回、オレが店ではなく、なぜここにいるのか? 


「では、ドルフドさん! 頼むぞ!」


「おうよ! んじゃ、行くぞ!」


ドルフドさんは知っての通りエドワード・ドワーフの一族の人でオレの武器を重宝してくれたドワーフだ。


なぜドワーフのドルフドさんやオレが家にいるのかというともちろん武器を製作して使って試すために……。


「よし、槍の飛距離の範囲はこれまでとだいぶ広げたから、かなり飛ぶと思うぞ!」


「おお! さすがドルフドさん、仕事が早いな!」


ドルフドさんに武器開発を手伝ってもらうことになるのにかなり色々あった……。


…ほんとに色々あった……。


詳細は話すと長くなるのでここでは話すのはやめておく。


では、店の方には誰がいるのかというとユリアーナさんとハルさんが引き受けてくれた。


…二人とも忙しいのに引き受けてくれたのはなぜだろう……?


ともかく店は二人に任せているため、オレはこうやって武器の開発に勤しめれるのだ。


オレは家の外から遠くの山に向かっての距離を測り、飛ぶ速度や威力などを加えて槍を放つ。


その槍は山へ向かって一直線に飛んでいく。

今のところ勢いは落ちることなくまっすぐ飛んでいき山の麓に刺さる。


槍が刺さると山は少しだけ地響きを起こした。


「どうだ、トビよ! いい感じだろ!」


「確かにこの前より威力も跳ね上がってるし、結構いいかも!」


これはかなりアルフレット公爵も喜んでくれるだろう…!


そう、武器開発に熱を燃やせるのはユリアーナさんの父、ユリウス・アルフレット公爵だ。


アルフレット公爵がイグリニア王国の武器や軍をの全てを取り仕切っている。

そしてオレの武器を軍で使ってくれることが決定した。


アルフレット公爵が言うには議会ではかなり押し問答が続いたが公爵家、また王家からも強く推してくれたため、議会で決定したというのだ。

ユリアーナさんが特に強く推してくれた。


まあ、何はともあれオレの目的は達成できた。

あとは満足できる武器を造るのみ…!


「今回の槍は公爵に出荷しても問題なさそうだな!」


ドルフドが武器を出荷するためにまとめながら話しかけてる。


「ああ、これならなんとかなりそうだな!」


「てか、お前さんさっきから何をしてんだ?」


「いや、ちょっとした試作品を造っているところだよ」


ドルフドはオレが何やら武器製作とは違うことをやってるのが気になってるようだ。


まあ、公爵家に出荷する武器とは違うから気になるのは仕方ない。


「これはオレだけが使える武器、誰にも使えないものだから」


「お前さんだけが使える武器か……」


「まあ、これはオレがやるからドルフドさんは武器の出荷だけを頼むよ」


「ああ、そうかい…。お前さん、なんでワシなんかと契約したんじゃ?」


「え……?」


「お前さんは武器をこれだけ造れる力があるのになぜワシなんかと契約したのか気になっての……」


「それは簡単だよ! オレ一人じゃ武器の製作が間に合わないし、ドルフドさんは優秀だからな」


「ああ、そうかい! んじゃ、出荷の準備は終わったからあとは頼んだぞ!」


オレとドルフドは馬車に武器を積んだあとに

ガラムラ街へ出発しようとすると何やら音がした。


「ん? 何の音だ?」


「あ………」


その音にはとても嫌な予感しかしない。

ギルドカードにメッセージが届く音、つまり送信はおそらくアイシャさんしかいない。


ホラー映画並みに震えながらメッセージを開く。


『お前、ちょっと来い』


…………以上。


怖い、行くのが怖いけど行くしかない!


呼ばれたら無視はできない、この臆病な性格はどうやって治せばいいんだろう……。


こうしてオレはエスカルテ村の冒険者ギルドへと足を運んだ。


    


  ——冒険者ギルド——


「来てしまった……」


入口の前にまで来たがどうも躊躇してしまうのはなぜだろう。


そんなのわかってる久々に会うアイシャさんが怖い。


実を言うと、今までアイシャさんのメッセージは来ていたのだが、王都に来たことで解放感になり、ギルドカードを全く見ていなかったのだ。


さらにアイシャさんは若干のメンヘラ感があるからメッセージを見てないとやたら大量に何かしらのメッセージを送ってくるのだ。


さらにさっきのメッセージ、オレはこのギルドから一切逃げられない。


「よし、いくか!」


いい加減に心を決めてギルドの扉を開ける。


「いらっしゃい、トビくん……」


「うわっ!?」


扉を開けてすぐに笑顔で立っているアイシャさんにオレは腰を抜かすほどに驚いてしまった。


その凛々しい立ち姿は思わず敬礼してしまうほどに怖い。


「あ、どうもアイシャさん。ご無沙汰しております……」


「そうね……、いつぶりかしら?」


笑顔を崩さずにオレを見ていて視線を一切逸らさずに何か刃物を真っ直ぐと向けられている感覚になりそうだ。


「いや、最近ちょっと忙しすぎて、あんまり連絡が取れなかったことは謝ります」


「ねぇ、ほんとにお忙しそうでなによりです。

トビくんは私に貸しがあることをお忘れですか?」


「いやいや、そんなことないですよ!」


そう、オレはアイシャさんには頭が上がらないほどに色々としてもらっている。


ジャイアント系の魔物の討伐の後片付け、他の冒険者がとってきた魔石を少しだけ分けてもらったりとやりすぎなくらいに優遇してもらった。


だからこそ多少なりともアイシャさんのメッセージは受け取って返事をしなければならないのだが、オレはそれを怠った。


「それに聞いたわよ。武器屋を開いたそうね、どうして教えてくれなかったのかな?」


「ああ、それはちょっと………」


オレが少し言葉を濁すとアイシャさんはゆっくりと歩み寄ってきて肩を思いっきり掴んで顔をぐいっと近づけてきた。


「奥で話、聞かせてもらおうか?」


笑顔のまま、オレを脅しながら言ってきた。


「……………はい」


そのままギルドの奥へと連れて行かれ、二時間の説教タイムが始まった。

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