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オレのもう一つの顔

——王都、武具屋の地下鍛治場にて。


エルザさんという盾使いの武器を新しく作成するためにオレは鍛冶場で作業をしていた。

ララさんという男の娘店主の店の地下に鍛冶場が設置されていた。


オレは鍛冶場にまだ置いてあった道具を借りて作業を開始した。

そして必要な材料を保管庫から持ってくる。もちろん誰にも見られずに…。


まずは魔石を数個使って盾の形を造っていく。

この魔石はエルザさんからもらったものだ。

本当は渡したくないのだろうが、快くくれた。…意外と潔いんだな。

そして硬度を高めるために鉱石の中で一番硬いと言われる鉱石を使っていく。

これは美少女店主から買ったものだ。エルザさんみたいに潔くくれなかった。

まあ、そうだよな。商売だから。


魔石をハンマーで叩いて砕き、千度の熱で溶かしていく。

その中に鉱石も砕いて溶かしていく。


次に溶かした魔石を小さい長方形の枠に入れ込む。

そして魔法石を埋め込むための丸い穴を中心にあける。


入れ込んだ枠を窯に入れてそしてある程度たったら窯から取り、ハンマーで叩きながら固めていく。


少し固まったら枠から取り出して形を整えていく。


形を整えたら中心にあけた穴に魔法石を埋め込む、そしてあとは装飾を加えると

……完成だ!


「よし、できましたよ」


オレはできたことをエルザさんに告げようとした振り返るとオレを見ながら固まってたっていた。


「あの、どうかされました?」


「すごい………」


「は……?」


「すごい! こんなの造れるなんてすごいよ!」


「あ、ああ……」


エルザさんの気迫にも近い迫り方でオレは少したじろいだ。

いや、おそらくこんな美人に近くまで寄ってこられたのは初めてだからどう反応したらいいかわからなかった。


「それと、エルザさん。ギルドカードはありますか?」


「ああ、それなら持ってるが……」


「ちょっとお借りしますね」


オレはエルザさんからギルドカードを借りて盾に貼り付けるように乗せる。


「エルザさん、盾に触れてもらえますか?」


「ああ、構わないぞ」


オレはとあることを試したかったのでエルザさんに盾に触れてもらうように施した。

エルザさんはそのまま言う通りに盾に触ると、盾がエルザさんの魔力を感じとって光り輝き出した。


「おお! なんやこれ!」


ララさんもいつのまにか鍛治場に来ていた。

盾はまるでエルザさんを包み込むような形で光っており、しばらくして光が収まると——


「これは………!」


エルザさんの魔力の影響か盾は至って変哲もなかったが、腕に収まる大きさからエルザさんの身体全体を覆う大きさに変化していた。


さらに形も何か変な怪物でも呼び出しそうな

形に変化していた。


……もう、これ完全に盾じゃないな。


オレは少し呆れるように見ていた。

だが当の本人はとても嬉しそうにしていたのでよしとしよう。


「あ、エルザさん。ステータスのほうは見れますか?」


「ステータス……? うわっ!?」


エルザさんがそう言うのを聞き取ったかのようにステータス画面が目の前に現れたので少し慌てたような表情をしていた。


「これは、一体?」


「エルザさんのギルドカードが反応したんですよ」


「私の……?」


「はい。ギルドカードには自分の言葉で表示されるように設定されてるらしいですよ。それを応用したら今のような感じになりました。

なので戦闘中でもステータスと言ったら表示してくれると思いますよ」


オレはそう説明しながらエルザさんのほうを見ると、いきなり手を掴まれた。


「え!? どうしたんですか!?」


「君はなんて素晴らしいんだ!」


「え? は、はあ……」


そんな褒めることか?

エルザさんの目はとても子供が誕生日プレゼントでめっちゃ欲しいものを親がくれたという眼差しをしていた。


「……喜んでくれて何よりです」


オレは喜んでくれたことに安心してふとエルザさんのステータスを見る。


……え!? レベル358って、強っ!?

……見なかったことにしよう。


エルザさんの盾を造り終えて店を出る。


「おーい! エルザ!」


遠くから男が呼ぶ声が聞こえてきた。

そこに目を向けるとエルザさんのパーティーメンバーが手を振っていた。


「早く行くぞ!」


「ああ、わかった! それではトビさん、ありがとうございました!」


エルザさんは深々と頭を下げてからパーティーメンバーの元へ走って行った。


「…あ、報酬、もらうの忘れた。…ま、いっか!」



オレが別の道へ歩き出そうとすると、


「トビくん、どこに行くの?」


オレはその声で身構えてしまった。


後ろからとても優しい声が聞こえてくるのだが、その声はとても怒りが混じっているように聞こえた。


ゆっくりと後ろを怯えながら振り返る。

そこには優しく笑っているハルさんがいた。


「あ、どうもハルさん。奇遇ですね、今から宿に帰るとこなんですよ……」


「へぇ、そうなんだ。ボクも今から帰るとこなんだけど……」


優しい声で優しい笑顔なんだが完全に怒ってらっしゃる!


「一日中、探していたのにまさか他の女の子と一緒にいるなんてね……」


ハルさんは手をパキポキと鳴らしながら近づいてくる。


「お、お助けを!」


「許しません!」


オレはその後、二時間の説教をくらった。



——王都、宿にて。


「ああ、長かったぁ! 色んな意味で」


ハルさんのお怒りの説教が終わってオレは部屋に戻ってきた。


疲れたぁ、二時間も正座で説教とかハルさんマジで怒ってたな……。


「ああ、明日なんて謝ろう……、はぁ」


オレは部屋のベッドで座り込み一人ため息をついた。


「お疲れのようだね!」


その能天気な声でオレは一気に疲労感を感じてしまう。

その正体は不法侵入大好きの女神様です。


「お前はほんと、不法侵入が好きだな……」


「何よ、その言い方! せっかくいいこと教えようと思ったのに」


「なんだよ。どうせろくでもないことだろ」


「へぇ、あの子のことでも?」


「どの子のことだよ……」


「ユリアーナっていう子だよ!」


「ああ………」


オレはなんだそのことかと思い布団をかぶって寝ようとしたが女神が言った名前が一気にオレをベッドから飛び跳ねさせた。


「いまなんつった!?」


「だからユリアーナって子のことだよ。……もう、何回も言わせないでよねぇ〜」


ユリアーナとはオレが王都の入り方が分からずに数日荒野で野宿してたとき、夜の散歩がてらに偶然出会った美少女男の娘、しかも公爵家のご令嬢? になるのかわからないがオレがハルさんに続いてときめいた二人目の男の娘だ。


「それで、ユリアーナさんがなんだって?また魔女の生まれ変わりとでも言うのか?」


オレはオチが大体読めるようになってきたので女神より先にドヤ顔で言ってみると女神は少し考え込むようなポーズをとっていた。


「うーん……、半分正解で半分間違いかな」


「……どういうことだよ?」


「あのユリアーナって子は、精霊の生まれ変わりなのよ」


女神は普通のトーンで当たり前のように言っている。

だがオレからすれば、パニック!


「ちょっと……聞いてもいいか?」


「何よ!」


女神は少しダルい感じでオレの質問に答えてくれる。


「精霊って、なんだ?」


「…………は?」


そう、オレはイマイチ精霊のことがよくわからないでいた。

女神にそれを聞いてみるとその顔はとても嫌そうな感じに見えた。


おそらく表情からするとそこから説明しないとダメなのと思ってるのだろう。


これに関しては面目ないと思う。

オレは女神に精霊について説明してもらうことにした。

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