能力分析
——地下、オレ帝国にて。
オレは地下でゴールドアーマーの修理をしていた。
夜の空から真っ逆さまに落ちていったオレは地面に直撃寸前で炎武装の火炎増強でなんとか死なずに済んだ。
「なんとかして光武装の持続時間を延ばせれないかな……」
オレは頭を抱えてしまう。
だがこの先で光武装の使用は必要不可欠、なんとか解決策はないかと考える。
まあ、それはのちに考えるとして先に風呂に入るか!
オレは鼻歌を歌いながら意気揚々と風呂場に向かっていく。
地下から上がって自分の寝床の部屋を出てすぐ横の脱衣所のカーテンを開けると。
「きゃあ!」
誰かの叫び声が聞こえたのでオレは反射で顔を上げるとそこにいたのは、ハルさんだった。
なんとハルさんはお着替え中のようだ。
その最中にオレが知らずにいきなり開けてしまったらしい。オレはなぜか凝視してしまった。
ハルさんの露出した体は雪のように白く透き通る肌、風呂上がりで濡れた髪がまた興奮を誘う。
そして恥ずかしさ全開で顔を真っ赤にしてタオルを胸まで隠し、オレを潤んだ紅い瞳で見ているのが心を変な気分にさせる。
…あ、やばい。…ハルさんは男なのにエッチな気分になってきた。
…あ、ヤべぇ! 気を失いそう……。
バタン!
「トビくん! しっかりして、トビくん!」
オレはまさかのラブコメ的展開に遭遇してしまいあろうことか気を失い倒れてしまった。
ハルさんが必死に声をかけてくれてるのを横目に意識が遠のく。
——想定外のラブコメ展開が起こった翌日の昼。
オレはいまだにあの出来事が頭から離れないでいた。
なんだか悶々とした気分だ。
そんなことはさておき、
オレは地下の作業場でアーマーを通してステータス画面で能力の確認をしていた。
——————ステータス————
名前:トビ 25 男 Lv.100
職業:錬成師
魔力:100000
攻撃力:4137
防御力:10258
HP:3098
知力:250
耐性:657
属性:炎・雷・光
能力:錬成・敵感知・盾・炎攻撃・雷攻撃・
光攻撃・回復効果・etc
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…これが今のオレのステータス。
レベルが上がっているのはヴェルシャスを倒したおかげだな。
オレはまず【耐性】という文字を押すとその耐性の一覧がすべて表示された。
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【耐性】
炎耐性:Lv.100 雷耐性:Lv.100 痛耐性:Lv.10
欲耐性:Lv.10 精神耐性:Lv.100 空腹耐性:Lv.10
毒耐性:Lv.10 眼力耐性:Lv.100 窒息耐性:Lv.10
病耐性:Lv.100 支配耐性:Lv.7 重力耐性:Lv.100
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うん、よくわからん! 支配耐性って、なに?
次にオレは【回復効果】の文字を押すと一覧が表示された。
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【回復効果】
光属性の能力
自分のHPが10になれば1000回復
また術者の能力を授かったため、傷の回復も
早い
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へぇ、そうなんだ。 これは便利だな!
じゃあ、光属性ってなんだ?
オレは属性の欄の【光】の文字を押すと一覧が表示された。
——————————
【光】
光は闇を扱う者と対等に渡りあえる属性。
光は特別な能力であり、攻撃や防御に特化している他、回復や治癒などが可能。
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…だからヴェルシャスを倒せたのか!
ん? ちょとまてよ。 光……、回復、まさか…………!
オレは今はなって思い出した。
光を操れる人で最近会ったのはユウナさんだということを……。
なんで忘れてたのだろう。
ひどく後悔した、そういやお礼を言ってなかった!
こんな素敵で最高な能力をもらったのにお礼もせずに帰って来ちゃった、ヤベぇ!
ま、どっかで会えるだろ! その時にお礼言おうと!
なんとも楽観的な性格をしている自分に少しだけ驚く。
そしてオレは能力に表示されてる【etc】という文字が気になっていたので押してみる。
————————
【etc】
異世界人・言語理解
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…………………。
「こんだけかい!」
とステータス画面にツッコミを入れるオレ。
もっとすごい能力があるのかと期待した自分に少し腹が立った。
いや、もっとなんかあるかと思ったよ!
思ったけど、これだけ! はあ、ふざけんな!
……と、思ったが気にしないことにした。
それが一番。
能力はとりあえずはこれだけまた気になったら随時確認すればいいか。
オレは作業に取り掛かることにした。
作業しながら昨夜のことを思い出す。
ハルさんの裸事件!
とはいえそれはまあ、頭の片隅に大切に保存しておく。
気になるのはなぜあの時間帯に風呂場にいたかだ。
基本ハルさんはオレと違って生活習慣はとてもいい。
朝は日の出とともに起きて、朝ごはんを作ってくれる。それからオレがだらしない分、家の用事とやらを自ら進んでしてくれる。
昼になれば食材の買い出しをしに村へと行く。
そして夜は暗くなるのと同時に晩飯を食べ、長風呂をして、日付が変わる前に就寝。
なのになぜ夜遅くに風呂に入っていたのだろう。
何かあったのだろうか?
…まさか! 男…!
いやいや、ハルさんが男だっての!
…ってことは、女性!
まあ、ハルさんがあれだけ可愛いからな。
女性はもっと可愛い子じゃないと……。
そういやハルさんって年下が好きなのかな?
いや少し天然な部分もあるから、やっぱり年上か?
ちょっとまてよ、よく考えてみればオレは男として見られているのか?
こんな生活、完全に親子じゃねぇか!
これはまずい!
決めた!
オレはハルさんを射止めてみせる。
漢たる者、同性を射止められないようではモテないだろ!
オレはやる時はやる男だ!
オレがハルさんの理想のタイプを考察しているとハルさんがコーヒーを持って地下に降りてきた。
「トビくーん! コーヒー入ったよ!」
「はーい!」
なんともハルさんに呼ばれると年下感を出す自分が恥ずかしい。
だがハルさんはそれすらも暖かい笑みで包み込んでくれる。
このハルさんと昼のひととき、とても落ち着くのだ。
コーヒーの香りに包まれた作業場はいつもオレの癒やしの空間だ。
すると唐突にハルさんがとあることを切り出してきた。
「あ、そうだトビくん!」
「……どうしたんですか?」
「ちょっと聞いてほしいことがあるの……」
ハルさんは顔を赤らめて何か改まって真剣な表情になっている。
…これはなんだ? なんだこの緊張感は!?
ドキドキと心臓の鼓動が早くなってくる。
これはドキドキの展開へと向かうのか! あのラブコメ的展開か!
ハルさん! ドンと来い!
「王都に行かない?」
「…………………、はい?」
そうだよ、いつもこうだよ……。
オレにラブコメの展開は、来ない。
てか、……王都?




