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ジャイアントイノシシ

——ジャイアントイノシシ。

それはでかいだけでなく、攻撃力、殺傷能力もあり、本気で奴が突進すれば街一つは破壊する恐れがある、危険な魔物。


その魔物にハルさんが所属してたパーティーがやられた。

オレはその話を聞いたとき愕然とした。

今まで奴はいたとしても被害が出ることはなかった。

ただ村の人たちが怖がっていただけで普段は

村から遠く離れた山とかで眠っている。


腹がすけば他の魔物を食べていたから村に襲うことはないが、一体何で凶暴化するかわからない。


ハルさんは思い詰めた表情をしている。


「どうしてハルさんたちがやられたんだ?」


「討伐依頼を引き受けたらしいわよ」


女神はまるで他人事みたいな顔で言う。だがそんなことよりオレはあることが気になった。


「あれの討伐依頼はオレが引き受けたはずだが……?」


「君が引き受けたあとにあの子たちが自分たちにやらせてくれって頼んだみたいだよ」


「じゃあ、なんで止めなかったんだ?」


「仕方ないでしょ!私が知ったのはやられたあとだったんだから!」


女神はそう言いながらオレに慌てたように言い訳をする。オレに殴られるかもしれないと思ったのだろうか?…だが今はそんなのどうでもいい。


「…それでジャイアントイノシシは今どうしてるんだ?」


「今は山で眠ってるわ!私の神の力で!」


女神はニコニコしながら言っているその顔をぶん殴ってやりたい気持ちになった。


「……神の力は天界のなんやらで使えないんじゃなかったのか?」


「だいじょーブイ!そこら辺はバレずにやってるから!」


女神はニコッと笑い、ブイサインしている。


…ああ、要するにバレたら怒られるパターンか…。


「じゃあ、また起きてはいない、倒せるなら今しかないな……」


「でも早く急いでね!こっちも限界があるから……」


「……マジか」


…じゃあ、ハルさんにダメもとでお願いしてみるしかないな……。


オレは覚悟を決めてハルさんに向き直り頭を下げた。


「ハルさん!お願いがあります!よかったらハルさんの魔力を分けてもらえますか?」


「……え?…ボ、ボクの魔力?」


ハルさんはどうしてという困惑した表情をしている。

無理もないいきなり魔力をくれと言われて、はいどうぞと渡せる訳が無い。


だがオレはなんとしてもその魔力がなければ戦えない。

オレは魔法が使えない、精霊というものと契約など交わしてはないから。

そもそも魔力は平均並でほぼ魔石を錬成の術で造って魔道具を作成していた。

そしてオレが造ったゴールドアーマーは魔石を動力源で使っているからかなりの魔力を消費する。…だからこそ魔力は必要不可欠なのだ。


「お願いします、ハルさん!あなたの魔力があればジャイアントイノシシを討伐できます!」


「……ほ、ほんとうに?」


ハルさんは涙目になりながらオレを見る。その表情をみた時オレの自信が揺らぎそうになったが、ここで不安にさせてはならない。


「大丈夫です。約束します!」


オレは真っ直ぐハルさんを見て決意を固める。


ハルさんは下を向いたまま何も言わない。

……さすがに信じられないか?


「やばい!ジャイアントイノシシが目覚めたよ!早くして!」


「ハルさん!」


黙ったまま俯いてたハルさんは顔を上げた。

その顔を見てオレは安心した。窮地の中でハルさんは決断してくれたようだ。


それからハルさんにアーマーの魔石に手をかざして魔力を供給してもらう。

魔石はその魔力に反応したのか、今までにない輝きを放っていた。


「……すごい」


オレはその光景を見て驚きでため息がでる。

……女神でもこんな風に輝いたことはないなぁ…。


「ねぇ、いま失礼なこと考えてなかった?」


オレに顔を近づけて睨んでくる。女神はオレの考えがわかってるのか、心の中を読んでいるのかわからないが



「………いいや」


「なに、今の間は!今、絶対思ったでしょ!」


女神はオレの横でプンスカと怒っていたが無視していた。


「……できたよ!」


ハルさんが魔力を供給するのが終わったようだ。

かなりの魔力を供給してくれたのか額から汗が吹き出ていた。


「よし、今から装備するから、女神!ハルさんを地下から退出さしてくれ」


「あー、ハイハイ。人遣いが荒いなぁ……」



女神はブツブツと文句言いながらもハルさんを地下から連れて行ってくれる。


「あ、あの、一体どうするんですか?」


ハルが女神に困惑しながら聞くと女神は笑顔で答える。


「ああ、今から戦いの準備をするからよ!

まあ、外に出て行けばわかるよ!」


「は、はあ………」


ハルは未だピンとこない様子。


オレはハルさんと女神が出て行ったのを確認した後、ゴールドアーマーを装着する。


黄金の盾の鎧が手や足に胴体を纏い、顔全体にも黄金の鎧かまとう、魔石が胸の中心で光り輝く。そして赤眼の目がビカンとひかる。


「装置完了。魔力発動!ステータス発動!」


————ステータス

トビ 25歳 男 Lv.15

職業:錬成術師

体力:100

知力:180

魔力:50000

HP:5000

耐性:1000

属性:炎

能力:錬成・敵感知・盾


————


「よし、行くぞ!」


姿勢を正し、手や足に火力を発動させる。

そのまま浮遊した後、体を正面に向けて一気に加速する。

地下から地上へとミサイル並みの速さで飛んでいく。


……ハルさんの魔力のおかげがかなり魔力がある、…これなら五時間は戦えるな…。




「あ、ほら出てきたよ!」


「えっ………?」


女神に言われてハルが空を見上げると、

ゴォォォォという音をたてて空を飛ぶ、人型の黄金の鎧が見える。


「あれは、一体……?」


ハルは呆然とそれを見ていた。



  —アルト村にて—


アルト村は現在、ジャイアントイノシシの脅威に晒されている。

村に突然現れたことにより、村中大パニックに陥っていた。

ジャイアントイノシシは村の建物を壊しながら歩いている。



「逃げろ!早くしろ!」


一人の女騎士が指示を飛ばす。

村人は逃げ惑い、恐怖で動けない者もいる。


「きゃああああ!!」


その悲鳴を聞いて女騎士が振り返ると小さい女の子がジャイアントイノシシに踏まれそうになる。


女騎士はすぐさま女の子の元へいき、抱き上げて避ける。

ジャイアントイノシシは本能のままに進みだす。


「……大丈夫か?」


女騎士は女の子に優しく声をかける。


「……うん、ありがとう、騎士さま!」


「さあ、早く逃げるんだ……」


女の子は頷き、走っていく。


「何をしている!避難はまだか!」


「団長!避難が間に合いません!」


女騎士に現状を伝える男騎士がいる。


「間に合いませんでは済まないだろ!仕方ない、ここで食い止めるぞ!」


「はい!」


女騎士は剣を構えて迫ってくる脅威に立ち向かう。

ジャイアントイノシシは徐々に迫ってくる。


「全員、構え!魔法が使えるものは詠唱を唱えろ!」



女騎士の指示で数人の騎士が剣を構える、他の騎士は魔法の詠唱を唱え始める。


「ここで食い止める!」


女騎士の剣に魔力が注ぎ込まれ炎の剣になる。

そして勢いよく飛び上がりジャイアントイノシシの頭上に到達した後、炎の剣を振り下ろす。

剣は頭に刺さり、ジャイアントイノシシは悶え苦しみ暴れ回る。


女騎士はすぐさまジャイアントイノシシから離れる。


「くっ!やはり手強いな……」


「団長!攻撃魔法は準備整いました!」


「よし、やれ!」


女騎士の指示でさまざまな魔法での攻撃が放たれる。

ジャイアントイノシシの体に当たるがダメージは少ない。


「あまり、効いてないみたいだな……」


するとジャイアントイノシシが吠え出した。

突如、ジャイアントイノシシが突進し始める。


「まずい!全員退却しろ!逃げろ!」


女騎士が指示を飛ばし、騎士たちは逃げ出す。


「団長、後ろ!」


女騎士が振り返るとジャイアントイノシシはもう目の前まで迫ってきてた。


「ふっ、これまで……、か」


女騎士が覚悟を決め、目を閉じる。


すると耳元にゴォォォォォォという音が聞こえる。


何かと思い、目を開けるとそこには黄金の鎧を着た者がジャイアントイノシシを押さえていた。

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