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手紙って何書いていいかわからない
「いやぁ!ありがとうございます!」
小僧はナタネとルギに頭を下げる。ナタネは小僧に手をさした。
「依頼料の駄賃をよこせ。もちろんプラス料金だけな」
小僧はポケットを漁る。囚われの身であった小僧には通貨なんてものはなかった。
「通貨ねェのはわかってんだよ」
「え?じゃあ…」
「その腰にあるもんでいい」
「こ、これでいいんですか…?」
ナタネが指をさしたのは宛先の書かれていない真っ白な手紙だった。
「これ、何も書いてませんけど…」
小僧は手紙を渡す。
「充分だ、じゃあな」
「あ、ちょ」
ナタネとルギは小僧を後にする。
「こんなんでいよいのか」
ナギはナタネの横を歩く。
「いいんだよ、コイツはこうやって使うんだ」
ナタネは小さな郵便局によって羽ペンを持つ。そこに書いたのは。
「…おし」
『お前の小僧、めっちゃ元気です』
「…宛先わかるのか」
「あ」
ルギに言われ、かっこ悪く小僧に住所を聞きに行ったのはまた別の話。




