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お友達

刹那。エルドの顔はペルロのすぐ目の前にあった。エルドは右手でペルロの両頬を掴み上げた。

「俺が負けたと思ったか?自分が勝ったと思ったか?勘違いするんじゃない。死とは常に隣にあり、今のお前の状況はほぼ死に向かっている状況だ。この頬骨を折ったら?この頭を一気にぶち抜くことだって、俺にはできる」

「……そうかよ…なら…俺はお前よりも…早く動けば勝てるってことだろ…?」

ペルロは短剣心臓部分に刺すも、その感触はなかった。心臓部分はからだった。

「っ?!」

ペルロは瞬時に短剣を引き抜いた。頬骨を掴む力はより一層強くなる。

「心臓がなくて驚いたか?これが本当に人間をやめたってやつさ。」

ペルロの意識はなくなっていく。頬骨を掴まれ、消えていく意識の中でたった一つ握った短剣が炎を灯した。その炎はペルロの腕を伝い、エルドの右腕へ到達する。

「俺を燃やすか?腕を切っても、燃やしても、俺は死ぬことは無い」

炎の短剣は炎の色を変えていく。炎は一気に燃え広がり、空間すべてを焼き払う。

「何?!どういうことだ…!」

エルドが危機を感じ、一歩離れようとするも、炎が先回りし進行を拒む。

「俺は燃やしても死ぬことは無いと言ったぞ」

炎の中へペルロを投げて飛び込むエルドだが、先ほどの炎とは違った。自分がひどく焼けていくのが、手のひらでわかった。

「……熱い…?俺が…ひどく燃えてる…?」

その炎はエルドを包み、肉片まで溶かしてしまうほどの勢いだった。

ペルロ)「…死ぬことは無い。だが、そんなことはない。人間だったものもいつかは死ぬ」

その言葉にエルドは思いだす。エルドは空洞になった心臓部分を抑える。どこか熱く、どこか痛い。そんな感情がこぼれ出すような焦りを感じた。

「……嫌だ…!嫌だ…!俺はまだ…俺は…まだ…」

エルドは這いつくばりながら王国へ手を伸ばすも、その手は燃え尽きていく。

「俺は…認められるまで死なない…絶対に…あの方が…俺をほめてくれるまで…」

その時、一本の太い矢が、エルドの額を穿つ。エルドはその場で燃え尽き、消えた。その場面にペルロは凍り付いてエルドのいた場所へ歩いていく。矢は消え、エルドの持っていた短剣だけが残されていた。

王国の中からエルドの死に呆れた目をする一人の男がいた。

リウス)「残念だよ。エルド。君は、僕の、お友達ではなかったようだ」

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