別れと王国への旅
「おなごがいたら会ってみて欲しかったねぇ」
「え、生きてないのか」
「生きてないよ。…どっかで笑っててほしかったけどね」
「……」
その時、襖があいて、聞きなれた声が聞こえる。
「おや。ここにいらしたのですか。皆さま探しておりますよ。もう出発するようです。」
ナタネ)「え?!ご飯は?!」
孔庵がナタネのそばで正座をする。
「もう召し上がりましたので、ナタネ様にはこれを。おにぎりでございます」
「おぉ。ありがとな!」
ナタネとリークと孔庵は立ち上がって、入口へ向かう。
シャル)「ではお世話になりました」
「シャル様!また来ていただければ非才は天に召されます!」
「では来ないことします」
ルギ)「…暗闇の廊下だったからせめて明かりを置いてくれ。あ、足元が見えなくて転びそうになったからな!!」
ペルロ)「ただのこわがりだろ」
「う、うるさい!!」
「…ナタネ君。君が倫道になったら小生が迎えに行くよ」
「倫道にならないし、なる気もないからこのプロポーズはやめてくれ。悪趣味だ」
孔庵は街の空気が変わったのを見逃さなかった。
「……おや。この気配は…」
シャル)「どうしました?孔庵様」
「…いえなんでも。あぁそうでした。困った時には、大太刀に向かって非才の名前をお呼びください。非才助けに参ります故」
「わかりました…」
孔庵)「ではお元気で」
ナタネ)「じゃあな」
ルギ)「暗闇…暗闇…」
ペルロ)「怯えすぎじゃね?」
シャル)「ではまたお会いしましょう」
ナタネたちの姿が消えたとき、リークは口を開く。
「…感じたかい?あの気配」
「ええ。嫌というほど感じましたよ。……リウスが近くに来ましたね」
鳥たちが一斉に鳴き始める。
「…嫌な気配ですね。この胸騒ぎはいつになっても慣れません」




