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技磨き

ペルロ)「倫道の妹ってことか?!」

「そういうことになりますねぇ。いやはや生きていることだけでも奇跡ですよ。ルギ様は李様にひどく愛されていましたから」

ナタネ)「……ひどく?兄弟愛ってやつじゃないのか」

「残念ながら兄弟愛ではありません。李様は妹であるルギ様を外の世界へは出さず、寵愛しておられました。ふとした時にこぼれたルギ様への言葉が今でも焼き付いております。」


”僕まだここにいるよ。だって、怯えたルギの顔程、可愛いものはないからね”


その言葉を聞いた瞬間、ナタネたちに寒気が走る。

シャル)「…なるほど……ルギさんがひどく怯える理由がよくわかりました。では…李さんはルギさんを探していらっしゃるのでは?」

「……わかりません…。非才はそこまでの情報を耳してはいません故」

「…わかりました。ありがとうございます」

「…ルギ様が回復するまでこの宮殿でおやすみください。非才は術の磨きをします故、席を外しますぞ」

孔庵は茶の間から出ていく。

「…心配しなくても小生がみていよう。君たちはこの宮殿を好きに見てくるといい」

リークはルギの頭をなでながらそう言った。ナタネたちは孔庵の場所へ歩いて向かうことにした。ナタネたちがいなくなった後、リークは剣に力を込める。

「…ははっ。心配しすぎかな?これではまた過保護だと言われてしまうそうだ」


孔庵)「っは!」

孔庵の大太刀から出される黒いもやが木にあたると、木は粉々に爆発した。

「少々気が強かったですかな?」

シャル)「随分と怖い技をお持ちのようですね」

「シャル様…それに皆様も。どうされまして?」

ナタネ)「無駄に広いから回ってみるよりも、術を磨いてるっていう孔庵の方が面白いかと思って」

「おやおや、非才面白いと言われたら少し複雑ですな」

ペルロ)「…しっかしすごい技だな…木を丸ごと一本粉々にするなんざ…」

「一本ではダメなのです。これを同時に3本できるようになるまでは非才は完成といえませぬ」

ペルロ)「…なんで3本?」

「この技は一本でもようやく形になったとしか言えないのです。2本でまぁまぁできる。3本で

完成というわけです。元々広範囲な技な故、倫道の者でも取得は非常に難しい。」

ナタネ)「なあ、倫道っつーのはずっと修行してんのか?」

「そうですねぇ。修行…。まぁなりたい者になれるまで努力する者が多いでしょう。倫道という者は常に加護を磨いていないといけません。加護は磨かなければ、黒く染まって砕けてしまうものなのです。」

ナタネ)「…加護っつーのは脆いんだな…」

「……えぇ。磨く者。持つ者がいなくなれば消えてしまうのですから」

シャル)「……孔庵さん、手を止めていただいてしまいすみませんでした。」

「いえ、いいのですよ…おやそういえば、非才の術磨きが面白いと言っておられましたな。」

ナタネ)「言ったな」

「ではここはひとつ。非才の術を確かめるべく、手合わせでも致しませぬか?」

ナタネ)「……術って粉砕したヤツ…?」

「えぇ。そうですよ。」

ナタネ一行)「……………」

孔庵)「……………」

シャル)「…これは言った本人がやるべきですね」

ナタネ)「アレ見捨てられた?今」

「ははっ。非才も鬼ではない故、人間レベルには合わせて戦いますぞ」

ナタネ)「ナニ人間レベルって。何言ってんのあの人」

孔庵は大太刀を軽々と持ち上げ一振りすれば、黒い靄があふれ出し、ナタネたちを追う。

「逃げているばかりではいずれ包まれてしまいますぞ!」

ペルロ)「テメェのせいで追いかけられてんじゃねぇか!」

シャル)「では僕が引きつけましょうか」

ナタネ)「お、できるか?信じるぞお前のコト!」

シャル)「まぁ5割がた信じていたください」

ナタネ)「ここで不安にさせんな!」

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