小生の登場
「剣は、長が託してもよいという者に送るモノ。加護がついていないのを見ると、もしかしてそれは特別に譲り受けたものですか?」
「なくなく欲しいと言ったらくれたものですが…」
「そうですか。それではダメなんですよ。ちゃんと託しても良いと言われたモノではないと」
「はぁ…」
「まぁそう肩を落とさないでください。救いならもう一つありますよ。倫道の一人、リーク様がこの町にはいらっしゃいます。もう一方遊びに来ているようですが、残念ながら顔を拝見しておりません故、ご自分たちで確かめるのが良いかと」
ペルロ)「あ、なにこれ。行くってこと?行くってことだよね?」
「展開が早くて助かりますね」
ルギ)「こらこらそういう話をしないの」
「あ、行くなら私から話を聞いたとおしゃってください!知名度は大事ですから!」
「そういう奴はがめついってイメージで固定されるから気をつけろよ」
ナタネの言葉にガックシと肩を落とすおじさんを置いて一向は進む。
「しっかしデケェ町だな」
「でかい。でかいねぇ。そりゃそうさ。小生が立てたんだ。とても明媚な町だろう?」
後ろから聞いたことのない声に振り向く。そこには一人、「小生」を名乗る男が立っていた。
「あぁ。この町に来たらまずは自己紹介だよねぇ。小生はリーク。ようこそ。小生が作った町へ。どうだい?空気が澄んでいて綺麗だろう?小生はここがお気に入りでね、マロからの加護を感じて君たちの前に訪ねてきたってわけさ」
「マロ?リーク?」
「お!いいねぇ、君のその剣!マロの気色の悪い加護を感じるよ。いいねぇ。いいねぇ。小生にもっと見せてはくれないか?」
「気持ち悪い加護?!何それめっちゃ嫌なんだけど!たしかになんかヌメヌメしてるし…」
「それはお前の手汗じゃろ」
ナタネは剣をリーク渡す。リークはゆっくりと剣を持ち上げて、刃をなぞる。すると剣は輝きだす。
「え?!輝きだした!」
「なぞっただけなのに…」
「ほうほう…なるほど…へぇ…こりゃあ本当に…」
「え、なんですか」
「はっは。これは小生、驚いたよ。なるほど。恐怖心を削る加護か。小生にあまり疑問を持っていなかったことにも納得がいく。」
「え?疑問めちゃめちゃ持ってるんですけど」
「いやいや。そういうことであってそういうことではない。とても難しいことだよ。考えない方が疲れない。」
「……倫道のひとりとお聞きしましたが、倫道とはどのような組織なのでしょうか」
「…組織ねぇ…ははは。組織とはちょっと違うかもしれないねぇ。倫道…それは小生よりも詳し奴がいると思うなぁ。小生は倫道と言われているけど、正直よくわかっていないよ。きたまえ」
小生を名乗るリークの後を歩く。しばらく歩き、着いたのはキレイに加工され磨かれた石でできた宮殿だった。




