おじさんと金属は紙一重のオタクかもしれない
一行は森を出て、川を渡った先を歩いていた。
「あぁ~出た出た。入口ムズイのに出口が簡単ってどういうこったぁこれは」
「出られたので無事良しとしましょう」
「ん?」
ルギは大きな影が飛んでいくのを見つけ、空を見上げた。目線の先には大きな水色の鳥が羽ばたいている。
「でっけぇ鳥だなぁ」
ペルロ)「羽綺麗だな」
「あぁ、水銀鳥ですね。ですが水銀といっても汞色ではないです。水色と銀色の羽の鳥です」
ナタネ)「みずがね?」
「ネズミ色。とでもいいましょうか」
ペルロ)「やたら詳しいのな」
「お褒めの言葉光栄です」
ナタネ)「しっかし町が見えねぇな。」
周りを見ても町一つ見当たらなかった。するとナタネは見えない壁にぶつかる。壁は波紋を広げた。
「なんだこれ。見えねぇ壁があんぞ」
「これは町のバリアですね」
ペルロ)「バリア?」
「ええ。このようにバリアを張ることによって襲われないのです。おそらくこの先に、町があるのでしょう。」
ルギはナタネたちから少し離れて壁を通り抜けようとするも、壁は波紋を広げるばかり。
「こっちからも入れないぞ」
「なるほど。…随分と大きな町。ということでしょう。…おや」
シャルはナタネの剣が光っていることに気づく。
「ナタネさん。その剣をかざしていただけますか」
「え?うわ!なんで光ってんのコイツ?!なんかついてんじゃねぇだろな」
ナタネはシャルに言われて剣をかざす。すると波紋が大きくなり、一つの穴があく。穴から光が漏れ出し、あまりの眩しさに目を閉じた。
「おわっ!」
目を開けばそこに広がる景色はキレイな家が並ぶ町だった。
「この町は、地図には載っていないでしょう」
ナタネは本を出してページを開く。(アルク!)
「…本当だ。どこにも載ってねぇな。」
「このように地図に載っていない街はいくつもありますよ。ここもそのひとつでしょう」
ナタネ)「…まるで古代ローマのような風景だ」
ルギ)「こだいろーま?」
「あぁいや。こっちの世界の話だ」
「あ!その剣!君!」
遠くからおじさんが走ってくる。
「君!その剣!その剣をどこで手に入れたんだ!」
おじさんは息を切らしながらナタネの剣を触ろうとするが、ナタネはおじさんの手をつかむ。
「すまねぇな。目的もわからない奴に剣を触らせるわけにはいかねぇんだ。」
「あ、そ、そうですよね!申し訳ありません。実はその…剣のことでつかぬ事をお伺いしますが………その剣は、マロ様からの譲渡品でございましょうか」
「え、マロ様?」
「えぇ。あのマロ様でございます」
「えぇと、長のマロ様?」
「はい。長のマロ様です」
「え、何アイツそんな偉いの?」
「偉いも何も!あの方は8人でできている倫道の一人ですよ!」
ルギ)「倫道?」
「えぇ!それはもう強いのなんのと!倫道の者から渡されたモノには加護がついていて、それはもう見事な剣だとお聞きしていて!いやぁその輝き!あふれ出る加護の光!まさしく倫道の者から渡されたもの!しかも!」
おじさんはペルロの剣も見る。
「これは!素晴らしい!ですが、まだ芽が出ていないようです」
ペルロ)「芽?なに?なんか生えるのコレ」
「いえ生える方ではなく、輝きがまだ秘められているということです」




