方向性って結局決まらないで終わるんだよ
宿代を払い、街に繰り出す。
「よし、人探ししなくてはな」
「宿代俺持ちだったのはなんでなの。ねぇ」
「…ん?」
ルギはナタネの愚痴を聞き流し、商人に話を聞きに行く。
「おいコラまて!宿代返せテメェ!」
―商人に話を聞き取り中―
「――そうか、ありがとな」
ナタネはルギの首根っこをつかんで自分と対面させた。
「話を聞けっつってんだよ」
「お前の話は取るに足らぬ」
ルギは杖と取り出すとナタネに向ける。
「首を離さぬと、頭の先まで固めるぞ」
「ッチ」
ナタネはルギをぱっと手放す。ルギはきれいに着地した。
「わかればよい。あ、そういえばこの筆跡、最近来た若者にそっくりらしいぞ」
「若者?つったってこんなウジャウジャいる中どうやって探すんだよ」
「うーん…この杖で探しにでも行くか」
「お、魔法でか?」
「いや」
ルギは杖を地面に投げる。
「方向性で」
「何お前、遊びに来たんじゃねーんだぞ?」
「仕方あるまい、探し人の魔法なんざあったらすぐに解決しておる。大丈夫じゃこれで家に着くのに4時間しかかからなかったぞ」
「それ明らかに迷子になってるよね、迷路に迷い込んでるよね?」
「迷子だと?なっておらぬ!何十年生きていると思っておるのじゃ」
「ならなんでそれで方向性決めようとしてんだ。地図読めなくて諦めた人のやり方だよソレ」
ナタネは斜め右のギルドを指さした。
「狭ェ町だが収穫はあるかもしれねーぞ」
ナタネとルギはギルドに足を運ぶ。そこにはガタイのいいおじさんや怖そうな裏社会にいそうなヤクザ。職を求めるホームレスの山だった。
「……結構居んなァ…さてどこから話かけっか…」
「すまぬ、この筆跡の子を知らぬか」
明らかに怖そうなヤクザに話しかけている。
「コラァァァ!!マテェェェェェ!!」
ナタネは急いでルギを連れ出しギルドの外へ出た。
「待て待て待て!!って!行動が早いんだよ!なんだオメェ、ちょっとは警戒とかしねぇのか!」
「警戒も何も、話しかけぬことには始まらんだろう」
「相手を選べっつってんだ!」
「あの~…」
「ん」
「私でよければお話聞きますよ?」
さっきのヤクザが目の前に立っていた。




