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マロの剣筋

カッキーンと金属バットにボールが当たったような音がする。

「その攻撃ではあたらんよ」

「ちまちま動くんじゃねぇ!この希少生物!」

「マロは希少生物ではないぞ!子孫繁栄は得意じゃ」

「タツのはそれだけにしとけ!剣筋は立たなくていんだよ!」

「何を言う!かっこいい者におなごというのは惚れるもんじゃ」

「オメェに惚れるヤツの顔を見てみてぇな!」

ナタネの剣は借りたもの。剣を何度も交えてもマロに届くことは無い。後ろからルギとシャルとペルロが隙を見て仕掛けるも、マロの持ったたった一つの短剣に弾き返される。

ペルロ)「あの短剣を落とさない限り、アイツ倒れないぞ!」

ルギ)「まるで、交わったことのある剣のようにはじいている…」

シャル)「…なんと」

ナタネは一気にマロとの間に距離を置く。

「おお!距離を置くか!見える見えるぞ、お前は」

ナタネは地を蹴る。

マロ)「助走をつき」

「一気に距離を詰め」

「短剣を落とす」

マロは短剣を隠し、ナタネが剣を振るう瞬間、消えた。

「それで終わりか。ならばまだまだだな。」

背中に短剣が当てられる。

ルギ)「!いつの間に…!」

「あれは…見えませんでした」

「はぁぁ!!」

ペルロが上から剣を振り下ろすも、マロは空中で回転しナタネと反対方向に着地する。ペルロの剣は地に刺さる。

マロ)「あっちゃ~…それだともう抜けんじゃろ。剣は大切にせいよ」

ペルロ)「ま、まじだ!抜けねぇ!!」

マロ「ほほほ。隙ができたというもの。さて、戦えるものは残り3人か。」

ナタネ)「おい!何してんだ!さっさと剣抜け!」

ペルロ)「だから抜けないんだよ!」

ルギ)「ならば」

ルギは杖で剣を折った。

ナタネ・ペルロ・マロ)「「「え」」」

シャル)「おやこれは。」

ペルロ)「何してんだテメェ!」

ルギ)「抜けないよりマシかと。まぁぎゃあぎゃあ言うな。武器がないよりはあった方がいい。折れた剣でも、風ぐらいは切れる。しかも」

折れた剣に白い風が纏う。

「オマケつきじゃ。風に吹き飛ばされるなら、風で返せばいいだけだ。」

シャル)「なるほど…ルギさん、いいことを教えてくれてありがとうございます」

「ん?」

シャルは強靭な足をマロに向けて回した。人間離れしたシャルの瞬発力で目に見えない速さで風がマロの方向へ飛ぶ。

マロ)「そんなもの通用などしない!」

マロは風が来る前に宙へ飛ぶ。

「…僕は、たとえ地でなくても、風を起こすことはできますよ」

「?!お前…!」

シャルはマロと同じ高さまで飛ぶ。シャルはもう一度風を起こした。

「…くそ!」

マロは下に降りようと、身を下へ投げる。だがそれは叶わなかった。下には、ペルロが折れた剣を持って待ち構えていた。

「どりゃあ!」

ペルロが一振り。風はマロを包み、マロはぐるぐると目を回す。マロは短剣を落とし、地に音を立てて転がった。それを見たナタネは握っていた剣を放り投げて、ぐるぐると目を回して落ちてくるマロに手を伸ばす。両手にマロのぬくもりを感じると、風は一気に消える。

「うぅぅぅぅ…」

ナタネの抱っこの中で目を回すマロの姿はまるで子供のようだった。マロは目が戻るとナタネの顔を見て、状況を察知したのかじたばた暴れる。

「おいこら!降ろせ!降ろせ!」

「コラ暴れんンな!」

ナタネはマロを降ろす。

「負けて悔しいかぁ?」

「うるさい」

「おうおう悔しいのかぁ。そうだよなぁ。悔しいよなぁ。あんなに豪語してたのに負けたんだもんなぁ。恥ずかしいよなぁ?」

「うるさい!報酬没収すんぞ」

「ごめんなさい。言いすぎました。許してください。お願いします。」

ペルロ)「(相変わらずだな)」

ルギ)「(なんでこんなクズを主人公にしたんだ?)」

シャル)「少しというかかなり人間性を疑いますね」

ナタネ)「おいそこ口に出てんぞ」

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