表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/75

模様の剣

その日、村の外側から入ってきたのは一人の旅人だった。旅人は自らを賢者と名乗った。人々は有能な賢者様を讃えた。その証にこの郷の模様が入った短剣を渡した。長く生きられない種族を思い、薬を作ってそれを伝授した。次第に賢者様の体は郷の環境に慣れ、体は種族に近い状態になった。

「…これが5年永らえる薬だ!」

賢者は薬を作ってそう叫んだ。できた薬は試験的に動物に与えていた。動物は変貌を遂げて村の外へ野生化して飛び回る。薬はできては失敗作にあたっていた。

「なぜだ!なぜ上手くいかない!私の薬が!私の薬はこの世界を変えるのだぞ!なぜだ!」

「賢者様。それは薬としては機能できませんよ」

「私を侮辱するのか!マロ!」

「いえそういうわけでは」

「もういい!出ていけ!」

「わかりました。では最後に一つだけ。あなたの薬はきっと、一生、成功なんてしませんよ」

それから一週間たった。人に効果を見せない薬を作り続けた賢者様は郷の人々に言った。

「マロ!お前が被験者だ!次の薬は特別なものだ!なにせ7年も寿命を延ばすんだ!これ以上の薬はなかなかないぞ!」

マロは苦い笑いをこぼしながら賢者様の後をついて行く。賢者様に反逆する者たちはマロを止めたが、マロは首を横に振って、賢者様の部屋に入った。

「どうだ!マロ!これが私の最高傑作だ!」

透明な瓶がマロの前に置かれる。

「これが…7年寿命が延びる薬ですか…」

「あぁ!そうだ!飲んでみたまえ!私は今回の研究に目の狂いはないとみたぞ!」

「……これは、飲めません」

「なぜだ!なぜ飲めない!」

「賢者様の最高傑作を私が飲んでもよろしいとは思えません。それはそれ相応の方が飲むべきだと思います」

「まぁ飲め!お前はこれが飲めないとでもいうのか!」

「わ、わかりました!飲みます!」

マロは薬を飲む。特に発作症状なく薬を飲み干した。

「どうだ!今回はきっと成功だ!」

「そうかも…しれませんね」

その夜、マロはひどいめまいに襲われた。歩けないほどのめまいに気持ち悪さが乗っかる。呻きに気づいたマロの友人たちは心配してマロを看病した。その朝だった。賢者様が殺されたことを伝えられた。それはマロの友人たちによるものだった。

友1)「マロ、俺、殺しちゃったよ。俺、賢者様を殺しちゃったんだ」

友2)「俺も加担したんだ!お前だけじゃないよ!」

友3)「マロ、ごめんな、マロ」

その時、友人たちに渡された短剣。それは賢者様が持っていた短剣だった。

「お前が長に慣なれ!」

マロ)「え?」

「お前が長になればこの郷は平和に暮らせる!」

「頼むマロ!」

その無理強いが叶った。短剣はマロの手に渡り、マロは長となって郷を守ってきた。だがマロは苦しんだ。賢者様は確かに嫌いだったが、卑怯なやり方で長となった自分に納得がいかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ