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薬っていう薬は本当に薬なので苦い

雨は通り雨だったようで、すぐに雨雲は去っていった。

「水の音、近くなってきましたね」

ペルロ)「誰か座ってんぞ」

「お前たち!遅いではないか!マロはもう待ちくたびれたぞ!」

「勝手に待たれても」

「コイツ乙女だったのか」

「それは悪いことをしました」

ペルロ)「え、こいつら何」

マロは立ち上がって霧が見える奥を指さす。

ナタネ)「ジャングルに霧があんのか」

「まぁ異世界ですし何でもありなのでは?」

ナタネ)「お前も異世界人だからなんでもありなわけか」

「この先は水の音が大きくなるぞ。他の水の音に騙されないように行くことだ」

ナタネ)「行くことだって…お前はどこに行くんだ」

「うん?マロは先に行くぞ。待ちくたびれるのは嫌だから。」

マロは走って霧の向こう側へ行ってしまった。

ナタネ)「おいコラ待て!」

「どうするんじゃ。……反響しているのか。あちこちから水の音がする」

その時、全てが火に包まれている鳥が空を飛ぶ。

「…ん?あれは、火鳥ひどりですね」

火鳥は霧の向こう側に行くと、羽をゆっくり上下させる。

「あれは、ついて来いということでしょうか」

ルギ)「とにかく行ってみればいんじゃないか」

ナタネたちは火鳥の後をついて行くと、火鳥は無造作に置かれた銀色の鳥籠に入った。その中で明るく地面を照らしている。

ルギ)「これはまた随分とおしゃれな蝋燭だな」

ナタネ)「ならこれ持って歩きゃァ着くのか?」

鳥籠を持って歩いていけば、小川に出る。小川の向こう側に倒れている人影を見つけるも、ナタネたちは一切驚くことは無かった。

ナタネ)「……何してんだアイツ」

向こう側にいたのはマロの姿だった。マロはナタネたちに目を合わせる。

「…お?…おぉ?」

ペルロ)「なんであんな涙目なの」

「なんだ、なんじゃ!マロを助けに来てくれたのか~!」

ナタネ)「いやそのつもりはサラサラない」

マロは火鳥に目をやる。

「火鳥!おぉ~!マロのためにこやつらを見つけてくれたのか!ありがたやありがたや!」

ルギ)「…マロのためって…」

「迷子のマロを救いに来てくれたんで…」

ルギ)「なわけあるか」

ナタネ)「あ?これテメェの鳥か?水かけたらどうなるか見ものだな、おい」

「え?水?!何言ってんの!水かけたらダメに決まってるだろう?!」

ナタネ)「あぁそうかよ。てっきりコイツは救世主だと思ってたが、それは最初から間違いだったらしいな」

「な、なんのことだ!」

ナタネ)「ルギっていう奴と髪色が同じマロっていう爺に霧の中置いてかれて、こっちは困ってたが、火鳥があらわれてこのままジャングル抜けられると思ったら、火鳥はテメェのペットだってわけで。勝手に置いて行って勝手に迷子になって勝手に助け求めて。何がしてんだテメェは」

「…いやあの…水の音があまりに反響して…それで…」

ナタネ)「付き合ってラレっか。帰る」

「わ、わかった!悪かった…。すまぬ…。帰り道は水の音を聴いて帰っていたんじゃ…だがどうにも今日は水の音が多くてな……」

ナタネたちはマロを含んで円を作って小石の上で伸びていた。

シャル)「で、今日は何のために外に?」

「水の中に沈めて冷やしていた葉を回収しに来たんじゃ」

「葉って…もしかして薬に使う葉でしょうか」

「!そうじゃよ!お主詳しいの」

「いえいえ、予備知識として知っていただけです」

ナタネ)「…予備知識」

「でもどうして葉なんですか?出来上がっている薬は沢山流通していますよね?」

「……マロは、マロたちはここから出られないんだよ」

シャル)「それはな…」

「痛っ!」

マロの頭にクルミが落ちる。そのクルミを落としたのはさっきの火鳥よりひとまわり大きい火鳥だった。

「?!お主!迎えに来てくれたのか!」

火鳥はマロの後ろにある道で羽を休める。

シャル)「この子は…」

「マロの友達の火鳥だ。もしかしたら仲間が探しに来たのかもしれぬ」

火鳥は再び飛ぶとマロの目線の高さで飛行する。前に進んでいくマロの後をナタネたちは追っていく。

ナタネ)「…お前予備知識でも、知識ありすぎじゃないか」

ルギ)「これまでといい、なんでそんなにいろんなことを知っている」

「いやぁ。豆知識が多いってだけです」

ナタネ)「理由になってねぇぞ。」

「まぁまぁそんなにカリカリなさらずに」

ナタネ)「お?テイク2か?」

ペルロ)「いや撮影してませんよ」

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