森へ
そこに存在していたはずの王国は跡形もなく消えていた。
ナタネ)「進むしかねぇのはわかってる。だが…ここまで足が竦んじまうんだな」
ルギ)「救えなかったのはわしの実力不足もある」
ルギ:(あの時、わしは魔力を全神経から出して挑んだ。だがあの指一本で抑えられてしまった。実力差でわかる。あの余裕の笑み。とても人間業だとは思えなかった。…わしは、まだ……弱いということか)
「相手は人間でしたよ。それもどこか迷っていたように見えました。」
ペルロ)「それはどこで感じたんだ」
「言うならば、指を添えるときに。一瞬だけ。本当に一瞬です。体がよろけていました」
その言葉にナタネたちは驚きを見せる。
「…イルドさん……相当無理をしていたのではないでしょうか。階段を降りてくるときも、歩幅が少し短いように感じました」
ナタネ)「……なぜ上から見上げていたアイツが出てこなかった」
「…それは本人に聞かないと。僕でもわかりませんよ。……足を進めましょうか。ここで濁っていては約束を果たせません。……あなたの足が竦んでも、僕たちが代わりに背負っていくこともできますよ」
「…馬鹿言うな。俺が約束したんだ。俺が行くんだよ。足が竦むなら引きずってでも行ってやる。」
「…あなたはやはりそれぐらい粘っこくないと困ります」
ナタネの意志に皆がついていく。
「ならまずは新しい仕事でも探しますか」
「おい、こんなとこあったか?」
ルギが指を指したのは深い森。
ペルロ)「あったんじゃないか?よくは知らんが」
ルギ)「…この森通らないと次のとこ行けないんじゃないか?回り道を見ても、魔法を使ったとしても1か月かかるぞ」
「通る他なさそうですね。魔物は…いないことを願いながら進むしかないようです。」




