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声と警備

「一体どこへ行ってたの!!」

ローズの頬は痛みの強さから赤く熱を帯びる。母はローズ頬を片手で掴み、ガクガクと揺らした。

「早く出しなさい!あの花を!」

ローズは母親の持っていた杖で壁に突き飛ばされ、背中から感じる強い痛みがうでをがっくりと下へ垂らさせた。

「いつまでそうしてるの!早く出しなさい!さぁ早く!」

杖の先端がぼやけた目に映る。失明が頭をよぎって、浴びえた瞳は恐怖を感じて目をつむる。咄嗟に聞こえたのは大好きな弟の声。


”姉さん、ありがとう””僕、姉さんみたいに強くなる”

”姉さんは泣き虫だなぁ、僕はどこにも行かないよ。いつだって傍にいる”


『嫌だ。弟も強くなるって言ってるんだ。なら私は、私は――いつまでも泣き虫のままじゃいられない』


動いたのは体だった。杖をつかんで母の方へ押しやると母はバランスを崩して床へ転んだ。

「知ってるよ。何度でも、姉さん、そう呼んでくれたのは、あなたしかいないんだもの」

母の手放した杖を踏み、足を踏む。その時だ、騎士と役人が集まってきたのは。

「こ、こいつを捕えなさい!!」


そこからは、冷たい牢獄に突き飛ばされた。それしか記憶がなかった。私が私ではなかった気がするのはなぜだろうか。自分が怖くて怖くてたまらなくてその場に崩れる。恐怖。それだけが体を抉るように全身を駆け巡る。その時だった。小さな鉄格子の窓の向こう側から声があの生意気な声が聞こえたのは。

「どいつコイツもェーな、警備なんだろ、ならもっと頑丈にしねぇとな」

「ホントじゃ、本当にここ牢屋か?闘技場の廊下と同じ臭いがするぞ」

「闘技場ってナニ。気になるんだけど」

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