表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/75

鵺(ぬえ)

深紅の空に負けじと赤く光を放つ月。屋根の上から見える景色はすべての闇を飲み込んだような赤黒い雲の数。月は深紅に染まっていてもその美しさは顕在したまま。

「今日も一興のためにどっかに行ってるのかなって思ってたんだけど。あ、俺の隣空いてるよ?座る?」

「…座らん。……今日はその目で何を見ている」

屋根の上で体を伸ばすの隣に来たのは、鎖骨に古傷を負った人間。

「今日はねぇ、名前も知らない死んだヤツのことかな?」

「……ヘルガーに行った者か」

「うん、アッサリと死んだんでしょ?アイツの手によって」

「……言っていたな。…始末した。ただそれだけを聞いた…」

「そっか、あーあ、話してみたかったなぁ」

「……一興にもならんぞ」

「え?そうなの?残念」

螺は人間の方を見上げた。

「今日は何かイッキョウあった?」

「ないな……」

「えー。つまんないな。昨日のヨキョウとやらはどうなったの?」

「お前余興をなんだと思っている。余興なんぞすぐに静まる」

「そうは見えなかったなぁ。――死人ヒトの血と、酒を混ぜて飲んで楽しんでるぬえは十分ヨキョウに浸ってたよ」

鵺)「……そうか…美酒であった。あとで賄いとして送ろう」

「いらないよ、趣味の悪い酒なんて死んでもごめんだね。」

「…そうか、あれよりうまい美酒は中々にないぞ」

「……アンタ、やっぱり人間になんて見えないや」

「…人間なんざとうに捨てた。今ここにいるのは妖怪だ」

「ふぅん…。あ、そろそろリーが帰って来るや」

「……あとで別の美酒を送ろう」

鵺は屋根から音なく消える。

アンタの酒は受け取れないや」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ