見た目が若いと大体中身は劣っている
ナタネは町に着くなり、首を掻く。
「まぁどうしてこうも狭いとこに人が群がるんだ」
そう人の数。狭い街でありながらも活気あふれる空気に体も心も連れていかれそうになる。
「…遊んでる場合じゃねェんだよな」
ポケットからメモを取り出した瞬間、目の前の赤いフードを被った子にぶつかってしまった。
「あ(この匂いは………ふわりと香るシャンプーの匂い!!ぜってーいい女の…!)」
ナタネはメモを拾うと、その場に尻もちをついた子に手を差し伸べる。
「(顔は見えねェがチョー!タァイプ!!であること間違いねぇ!)……あの、大丈夫ですか…?」
「……―――いえ、お構いなく」
聞こえてきた声にナタネは耳を疑った。その声はじじいそのもの。
「(え。今、え。このかわいい見た目して……渋めの爺の声だったよ?)」
子は差し伸べた手に触れようとしたが、ナタネは手をひっこめた。同時に子はまた尻もちをついた。
「おいこら!助けてくれぬのか!」
「しかも胴体はちいせぇが心は壺みてェにデケェ」
「おい!それは遠回しに小さいと言っているのか!!」
子は立ち上がり、膝についた土を払い落とす。見た目の可愛さは周囲を上回ってはいるが声が残念だとそれ以外がすべて宝の持ち腐れ状態になっている。
「まったく……ぶつかってきて失礼な奴じゃ」
ナタネは子をじっくりと見つめる。
「な、なんじゃ」
その目は子の真ん中を見つめていて。探るような眼をしていた。
「いや、胸がねェなと」
「なんじゃと?!」
子は胸ぐらをつかむもナタネの手によってはじかれた。
「ま、怪我がねェならよかった」
ナタネはその横を通り過ぎようとするが子に服の裾をつかまれた。
「な、なんですか」
後ろから突き刺さってくる殺気に目を向けらないまま立ち尽くす。
「ちとさっきのメモが目に入ってな、それはもしや……―――人探しの依頼か?」
「(な、なんだコイツ?!人探しの依頼だが、なに!「それ私です!」とか言い出しちゃうんじゃないの?!もしかしてこの人お母さんだったりする?!もしかして友達とかですか?!)」
「おい、なんとか言わぬか」
ナタネは絞り出した声で答える。
「いやあの……まぁ……そ、そんなとこです…」
「もっとよくみせてはくれぬか」
「え?」
ナタネはしばらく固まり、子にメモを見せた。
「……やはりな。我と同じ依頼だ」




