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果物と商人には必ず値札がついてくる

「…そろそろ自分で歩いたらどうだ、引っ張られて歩いてきたんじゃ。少しは回復してるであろう…」

ルギがナタネを引っ張ってから半日が立つ。周りはすっかり暗くなっていた。

「……あ、あともうちょいだけ…」

「オフザケも大概にせぬなら、今すぐここに置いていくぞ」

「それは困りますルギ様ァァ」

ルギは引っ張っていた杖を地面に突き刺した。

「ぐえ…」

汚いナタネの悲鳴が地に座ったルギの音と重なった。

「…はぁ…疲れた…」

ルギは近くにあった樹に身を寄せる。その時、ナタネの頭を目掛け何か飛んでくる。

「……………ぐえ…しかも…ってーな!!誰だ!!こんなモン投げてくるやつは!」

ナタネの手には大きな楕円形黄色い果物。

「なんだこの絵にかいたような楕円形は」

ルギはその果物をまじまじと見ていると、画面外から声が聞こえた。

「あ、その果物投げてぇ!」

ナタネとルギの方向に走ってくる一人の人影。人影は男性だった。金髪にイケメンの顔面。

「お、なんじゃ、イケメンではないか」

「なんだじじい、この年で男あさりはやめた方がいいぞ」

「誰がじじいじゃ、まだまだピンピンの17歳じゃ」

「じゃって言ってるところでじじいなんだよ、ちったぁ自覚しろロリコン」

「それ以上言ったら口縫うからな」

男性はナタネとルギのもとに着くと、果物に手を伸ばすが、ナタネは立ち上がり果物を高く掲げた。

「え、それ、ちょ!返してください!」

「あ?なんだ?こっちに投げられた、つーことはくれんだろ?コレ?」

「お主、相当アクドイな、まぁここは果物協定を結ぼう。ナタネと我で」

「おぉ、いいなそれ、つか、我なのかわしなのか早く一人称決めやがれ」

「ならこれからはわしでよい」

「ちょっと!何話してんですか!!それうちの商品なんです!」

男性は果物に手を伸ばすが、届くことは無く、ナタネは腰を下ろしていたナギの方向に果物を投げつけた。果物はぱっくりと半分に割れた。

「……お前…仲間にこれはないじゃろ」

「ああああああ!!うちの商品がぁぁぁぁ!!何してくれてんだぁぁぁぁあぁ!!」

男性はナタネにつかみかかるがナタネの足掛けで転んでしまった。

「妙に一音高くすんな。耳いてぇだろが…ん?」

転んだ男性のポケットから出てきたのは一枚の堅い紙。

「……商人ペルロ?コイツの名前か…」

ルギは果物を持ち、周りを見つめまわす。

「……おい、この果物、まだ値札貼ったまんまだぞ」

「あ」

「あ」

ナタネとルギはペルロの頭上にぱっくりと割れた果物を頭上と足の下に置く。

「よし、退散しようか―」

「どこ行くんです?」

そこにはにっこりと笑ったペルロの顔があった。


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