これが前置き
樹の陰から男が地を見下ろす。キレイとも汚いともとれない青い目に、ミルク色の髪の毛。身長は175㎝。姿はイケメン容姿なのかもしれない。一面に広がる緑の大地に、ポツンと小さな町が見えた。
男は一人、手に持っているメモを見つめた。
「……ここが依頼主が言っていた村か…?」
メモには「宿にいます。探さないでください」という文字と写真があった。
「これ本当は、『探してほしいです!』みないなヤツか?いやヨいやヨ好きのウチ?って感じ?」
男はメモをぐしゃぐしゃとポケットに突っ込み、一つ言葉を唱えた。
「アルク」
言葉とともに出てきた一冊のエロ本。
「あ、間違えたわ、これアレだ。男の性の魔法だった…えーっと…あ、そうそう、リック」
出てきたのは三日月の形をした地を飛ぶ乗り物。
「…よし、これで町までひとっとびか、あ、大事なエロ本はしわなきゃ」
エロ本の表紙をノックすればエロ本は光に包まれ、空に消えていった。
「……この世界についてまだこれぐらいしか知らねェんだよな」
男は三日月の形をした乗り物。(リック)に気怠そうに乗ると、町までゆっくりと走り出した。
「ふぁぁぁぁ……ほんと知らねェ世界に来ちまったもんだ…でもまぁ…親友探す旅でこの世界っていうのも悪くない」
――この男の名は「ナタネ」
この世界に飛ばされた者。つまり今流行りの「異世界人」。本名「入野辰磨」姿を消した親友を探すためにこの世界に飛ばされた、現実では徹夜ゲーム野郎だった。




